空想パラドックス
□ふわり放浪歌
1ページ/1ページ
きっと言われるまでもなく
タンポポは旅路を知っている
宙で何を想うのか
声が声を抱き締める
こだまする匂いに胸を打たれ
百里離れたあなたを待つ
ふわふわ笑う表情が
ぐっ
と淋しさを引き立てる
袂の子供は大丈夫よ とゆらり 笑う
不覚にも息をつめていた
吐き出してみようか
解放した心が嬉しそうに弾む
塗りつぶした青空が
全て解っているかのように
何にも言わず招き入れ
ふわりふわり
思わず身を委ねる
百里離れたあなたのもとへ
我が子をつれて向います
大丈夫
迷いはしないわ
わたしは航路を知っている
迷いはしないわ
あなたの香りが仄かに浮かぶ