空想パラドックス

□わたしと逃げ水
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目覚ましをせっとして
携帯のアラームもせっとして
お母さんにも起こしてもらって
それでも僕は夢の中

紅い夢の中
無限ループを繰り返す
本当の僕はどこにいる?

夢の中でさえ
夢に浸食され
私の自我はいづこへにげる

逃げ水 私とかくれんぼ
開けても開けても

ドア 

ドア

ドア

おしまいはどこ?



終わりの見えないドアの前
ノブを握ったままの僕はそこで立ちすくむ
目の前にいるのは確かに僕なはずなのに


金切り声に瞼をひらけば
今日に戻ってこられる
本当に?


どこからが夢で
どこからが今?
いま はどこ?


困ったな 
ドアを開けたら後ろ姿の私がいる

瞳を固く瞑っても
網膜に焼き付いて離れない


目覚ましが鳴って
携帯のアラームが鳴って
お母さんにも起こされて
それでも僕は夢の中


どこに隠れてしまったの?

今日もわたしは・・・


開けても

開けても

ドア

ドア

ドア


私の後ろ姿が追いかける


ああ








しんでしまいそう












旋回する意識に貴女の声が響くまで

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