空想パラドックス

□薄い期待を込めて
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足元に貼りつく影がこわい



絡めとられて
しらない場所にわたし独り
割れそうな鏡の上
きしきし嗤う声に怯える

ぐるりと周りを見渡しても
夢の楽園
わたしの手を引く人はいない
減数分裂
よくしる場所にわたし独り


周りの人は透明人間
わたしの横をすり抜ける
あんたなんかしらないよ

周りの人は透明人間
わたしの横をすり抜ける
其人の視界にわたしはいない

周りの人は透明人間
わたしの横をすり抜ける
セカイの上にわたしだけ



周りの人は・・・



セカイ上にわたしだけ
わたしはセカイの上で蹲る
両腕でわたしを抱き締めても
透き通った指の
温もりはどれくらい?

伝える体温は熱を溶かすほど


気付けば回りは影模様
知らない場所にわたし独り


雑踏
わたしは透明人間
強く耳を塞いでも
透き通った指の間から
知らない音が流れ込む












きしきし嗤う

声が止んだ

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