空想パラドックス

□放漫な独占欲
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凄まじい嬌声に
ねだるように失神する君

痛みも感じない
艶やかな鎖骨

陰る憎しみに恐怖を憶える

その喉元を掻き切れば

塩酸漬けの視界の中
全て理解してくれると信じてた

たった独りきりのこのセカイの上で
唇から零れてく
睦言によく似た憎悪のそれを
覚醒した意識に叩き込んでゆく
終わることのないその責め苦
尽きぬ苦しみに恐怖を憶える

その喉元を噛み切れば
塩酸漬けの視界の中
全て諦めてくれると信じてた

たった二人きりのこのセカイの上で
焦げ付くように燻る意識
嘘のように擬態した真実に
嗚咽を堪えて舌鼓を打つ
悲しみを湛えたその仕打ち
留まる事の無い羞恥に胸騒ぎがする

その喉元を締め上げれば
塩酸漬けの視界の中
全て許してくれると信じてた
たった二人きりのこのセカイの上で

旋回する罪悪感に
すべてを持っていかれる夢を見た

間違いなくボクは
君を拘束しているはずなのに
持っていかれる夢を見た

融解する劣等感に
すべてを引き裂かれる夢を見た

間違いなくボクは
君を締め上げているはずなのに
すべてを引き裂かれる夢を見た


脳髄のすべてが
君と共有できれば良かったのに

そうしたら

脳髄のすべてが
君と同調できれば良かったのに

そうしたら

浮き出た血管を押し潰すかのように

緩やかに

眠る赤子の腕をへし折るかのように

容易く

君の





白く滑らかな喉を壊す夢を見た

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