空想パラドックス

□愛で汚れた私を愛した貴方
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喉奥に指を突っ込んで
掻き出すように喋るから
擦れたそれを
何も言わずに聞き取って


喘ぐ背中は本物
反らす背筋は偽物
しなやかに浮かぶ汗は
あなたへの愛情の数だけ


唇にキスしましょう
手を繋いでください
涙は笑顔で隠しましょう
携帯の新着メール1件


返信は焦らすのが礼儀でしょう


にこりと嘘を囁きましょう
頭を優しく撫でる手
背中には強く爪痕を残しましょう
時には煙をくゆるす貴方を
眺めるのも良いものね

期待しないでくださいな
期待させないでくださいな


後ろを振り返れば
引くて数多
下駄の音が耳に巣食う
1人のモノにはなりゃせんえ



たった一行
文末に句読点すらないけど
それすら保護をかける


「メールを保護します」


ああ
100も200も
いくつの指紋が私を汚しただろう

それでも良いよ
1人の布団は寒いから



涙は笑顔で隠しましょう


ねえ
震える指先を叱咤して
吐き出すように語るから
聞き取って






Re:
本文

アイシテル













嗚呼今日も
貴方がいらっしゃるのを心待つ
体に残らない愛で満たして

なんてね

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