空想パラドックス

□床擦れた心
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濁った肺

所詮慰め程度の薬品の匂い
鼻につく涙の跡
あたたまらない指先に
心地好い痛みと慰め


規則的に落下する液体
管を抜き取ってしまおうか


変則的に脳を打つ眠気
足先には伸びきった爪がささくれる


スプリングの伸びきったマット
憎しみも慈しみも
すべてがすべてが
霞んで朧に変わる


衰えていくその躯
浅い呼吸を繰り返す海馬は
何を記憶するだろう


薄い唇であなたの名前を辿ろうか
陽だまりのような暖かさと
たったひとつ
細い金属の冷たさが心地好い
ああ、約束は
どうも守れそうにないけど







無機質なシーツのうえで
あなたの手だけが
私の支え

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