short

□デレツンデレ
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卑怯だ、と思う。

差し出された手をためらいがちに重ねると、するりと絡められ引き寄せられた。

皆といる時はくるくると動く少年のような瞳は、二人きりになった途端に色っぽく細められて、全てを暴くかのように見つめられる。

いつもより低い声で名前を囁かれたら、それだけで心の奥が震え思考が停止する。

赤く染まった無様な頬を見られたくなくて俯いた顔を上げることができない。

喉の奥で微かに笑われ、内側から変わり始めた体がぶるりと震えた。









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