.


□押して駄目なら引いてみちゃう
1ページ/2ページ




『押して駄目なら引いてみちゃう』




ここ数日、あやめの気配がしない




屋根裏にも、外を歩いていても。






銀時は心の何処かで焦っていた。






何であいついねぇーんだ?


俺に飽きたとか?







でも、それよりも違う疑問が次々

と出てきた。






事故ったとか?


怪我して動けないとか?


まさか仕事で……






顔を青ざめさせて、ある場所へと

向かった。




________





「はぁ?猿飛あやめ?。」




「今何処にいる。」





銀時が向かった場所は『ブスッ娘

倶楽部』だった。

そこには必ず全蔵がいる。
同じ忍びなら知っているだろうと

思った。





「家に居るんじゃないか?数日前

からあいつは休みだ。」




「元気なのか?。」




「さぁな。気になるなら家に行っ

てみたらどうだ?。」





全蔵が持っていたあやめの名刺を

受け取った。





_________





意外と近く、綺麗なアパートだっ

た。

少し緊張気味でチャイムを鳴らす


中からハーイと声がした。




「銀さん!。」





銀時と確認すると勢い良く抱き着

いた。

夜だけあってパジャマ姿だった。

しかも下は、ショートパンツ。





「でも、どうして銀さんがここに

?。私、家教えたかしら?。」




「あの痔野郎にこれ貰った。」





名刺をペラペラと見せると、ああ…

と納得していた。





「こんなところで立ち話もなんだ

から入って。」





どうぞと招くあやめに少し照れて

お邪魔しますと言う。

銀時のイメージだとSMの道具とか

があるのかっ思っていたが、意外

と普通だった。
シンプルで女の子らしいピンクや

オレンジなどパステルカラーが多

かった。





「適当に座って、今お茶入れるか

ら。」






あやめの様子はいつもと変わらな

い。
はいっと言って出したのはお茶と

饅頭だった。





「どうしたの銀さん?。わざわざ

…。」




「いや、最近姿見ねぇから病気か

事故ったのかなぁーと思ってよ。」




「………。」





長い感じのする沈黙が続いた。
そしてあやめはゆっくり口を開い

た。





「確かに怪我はしたけど、そこま

で酷くないわ。でも…押して駄目

なら引いてみました。」




「………はい?。」




ニコッとしてあやめは続けた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ