小説

□XX話:uNknown
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「あーあ。行っちゃったぁ。」
目深に被ったフードをかき上げる。
つややかな黒髪が溢れた。
まだまだ歳若い少女の相貌が現れる。
ぐーっ、と伸びをする。
占い師は去ってゆく黒いキャップの青年の後ろ姿を見送った。
見えなくなったところで占い師は机に両肘を付いて頬杖をつく。
「さあて。どうなるかしらねぇ。」
にたにたと下品に微笑みながら小さく言葉を漏らす。
「彼、やり遂げられるかしら。
私の見たとおり、壁を越えてやり遂げられるのかしら。
でも未来なんていい加減なもの。いくらでも変わってしまうわ。
私の見た強大な壁は私の占いを越えてゆけるのかしら。」
ふふふふ、と笑いがこぼれる。
「孤独な王サマは、どこまでできるのかしら?」
ふふふ。
私はしがない占い師。
拝見させていただきますわ。
「でも、願わくば・・・」

未来を変えてくださいまし。
「英雄さま。」

このセカイの英雄さま。
孤独な王サマを救ってあげてくださいまし。











そして、
王は英雄と邂逅を果たす。













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→ep2


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