頂き物…お話

□幸せは腕の中に
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『ヨネコ!』


わしの目の前には疲れ果て横たわったヨネコと産まれたばかりのわが子の姿があったがじゃ…



【幸せは腕の中に】



『龍馬さん…』


うっすらと目を開けたヨネコはわしの姿に気づくとにっこりと微笑んだ。

身体を起こそうとするんをそのまま抱き留めて、腰を下ろしてヨネコの手を握る。

初産で難儀じゃったんか、顔色がちくと青ざめちょる。


『ありがとう』


そう言うてそのままヨネコの頬に口づけを落とし、くちびるを吸った。


『り、龍馬さん…』

頬を染めわしから逸らした視線の先にはこんまいわが子がすやすやと眠っちょる。

ヨネコがそっと抱きかかえ、にこっと微笑む。

『さあ、お父やんとこにきいや』

柔らこうてこんまいわが子をそっと腕の中へ抱くと、その重さが…いんや、その重さ以上の幸せがこの腕の中にあるんじゃと…。そう思うたんじゃ。


『可愛いのう。目元なんかはお母やんによう似ちょるのう』

『ふふっ。口元は龍馬さんに似てますよ』

『そうかのう?』

『そうですよ?』




ああ。

これを『幸せ』ちゅうなら


この『幸せ』もわしに守らせてくれんかの?


の、ヨネコ。







ー了ー

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