BLEACH

□『黒崎くんの妄想...』
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年が明けて、もうすぐ二週間…今日は成人の日である。買い物に出かけた一護と雨竜は擦違う振袖で着飾った女性達を見て“そういえば今日だったな”と二人揃って思うのだった。

「成人式かぁ…お前はきっちり出そうだな」
「まぁ、そのつもりだけど…君は出席しない気か?」

真面目な雨竜は怪訝そうな顔で一護に問いかける。

「いや…お前が出るなら行くけどよ」

一護の答えに呆れながらため息を吐く…

「馬鹿なこと言ってないで、きちんと出席しろ」
「…はい」

雨竜が睨むと、一護は素直に頷いた

「まったく、君って奴は…」

ブツブツ文句言っている雨竜を、横目でチラリと見る…艶のある黒髪、整った顔立ちにスラリとした長身で…そこらを歩いている今時の女なんかよりずっと綺麗だ。彼が振袖を着たらさぞかし美人だろう(勿論今のままでも美人だが)

*―*―*―*―*

「こらっ! 起きろ黒崎!!」

バシッと頭を叩かれ、一護は瞼を開ける

「いってぇなぁ…何すんだよ、うりゅ…!?」(なっ…ふ、振袖?!)

目の前に居たのは、淡めな色の振袖を身に纏った雨竜だった

「一緒に行くってしつこかったクセに、着いた途端寝るな!」
「あぁ…悪ぃ。ところで雨竜、何で振袖着てんだ?」

一護が問うと、傷ついた表情したあと俯いてしまう…

「…君が、竜弦から推し付けられた振袖を“お前が着たら絶対似合うだろうな”って言ったから…仕方なく着たのにっ…」

涙声で言う雨竜に一護はしまったと思った

「そうだったよな! 良く似合ってるよ、雨竜っっ!!」
「女性物を似合ってると言われても、全然嬉しくない」

ツンとした態度で言った雨竜を見て、クスリと笑う

「マジで綺麗だ…」
「く、黒崎」

真面目な顔で見詰められ、たじろいだ…恥ずかしくて仕方がない

「もう、誰にも見せたくねぇよ」
「…っ バカ、何言ってるんだ」

頬が紅く染まるのが合図みたいにキスされる…

「ん…ふぅ」(初詣行くのに…)

舌の侵入を許してしまうと、もう流されるほかない

「ゃ…ダメ、黒崎」
「名前、呼べよ…雨竜」

振袖の襟から手を滑り込ませつつ、一護は言う

「っん…や…初詣行くんだろ?」
「…お前を戴いたらな」
「ばか一護…」

一護の首に腕を回し、雨竜は呟いた

「いいよ、バカで…雨竜を独占できるなら、なんだって良い」

不適な笑みを浮かべる一護にときめいてしまう。付き合い始めた時から、雨竜は一護のこういう所に弱い…本気で口説かれたら、簡単に堕ちてしまうのだ

「もぅ…後でちゃんと着付け手伝ってよね?」
「あぁ、いいぜ」(また、襲いそうだけど…)

そして2人は快楽という布団に身を沈めた…

*―*―*―*―*

「──崎!…黒崎っっ!!」

バシッと派手な音を立てて頭を叩かれる

「いてぇっ…う、雨竜、振袖は?」(てゆーか、今からオイシクイタダクトコだったはず…)
「はぁ?!…何を言ってるんだい君、寒さで頭凍ったのか?」

軽蔑の目で、雨竜は一護を見る

「…」(まさか今の…全部俺の妄想?!)
「黒崎?本当に大丈夫かい?」

美味しすぎる設定だった為、ショックが隠せない。…そう、冷静に考えればすぐ解ることだ。この雨竜が女装(そんなこと)するはずがないのだと…心配する雨竜をよそに、一護は10分くらい固まっているのだった…

END


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