one piece短編集

□ハロウィンと魔法使いU
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「あら?」

「…キノ?」

『あ…母さん、父さん』

アタシが飛ばされた音を聞いたのか、父さんと母さんが部屋に入ってきた

「義理父さん、ダメだって?」

『うん…』

「パパは昔から心配性なのよー…ねぇ?」

「あぁ…俺達の結婚も相当反対されたからなぁ」

『そうなんだ……』

「でも娘の私が、そんなに反対するなら家を出て行く!って言ったら仕方なく折れてくれてね」

「まったく、あの時はヒヤヒヤしたよ…」

『アタシも家出ようかな…』

「それはパパだけでなくお母さんも困るわぁ」

「あぁ、父さんも困るぞ」

『そっか…』

おじいちゃんの頑固さを思い知らされたアタシは落ち込むことしかできなかった


「ねぇキノ…そんなに行きたいの?」

『うん…』

「どうして?」

『……会いたいから』

「噂の海賊とやらにか?」

『そう…』

「海賊って危ないんでしょう?」

「物騒な連中だと聞いたが」

『ロー達は違うもん!!』

「…そう、ローさんと言うのね」

『チョコケーキ作ってくれた…』

「キノはトリートの方をしてきたんだな」

『アタシいたずらしてないよ…』

「いい人達じゃない?アナタ」

「あぁ、そうみたいだ」

『でも…おじいちゃんが…』

国王であるおじいちゃんほどの魔力がなければあの兵士達を止めることができないのが現状

アタシにそんな魔力があるはずもなくまた落ち込んだ


「今パパは出かけてるみたい」

「よし、娘の為に一肌脱ぐとするか」

『え…?』

てっきり諦めろと説得されると思ってた

けど、父さんと母さんはアタシを応援してくれるようで嬉しくなった

『でも兵士が…』

「そうね、相当な魔力が必要よ」

「キノ、お前も頑張るんだ」

『う、うん…!!』


どうやら父さん、母さん、アタシの魔力を合わせて強行突破しようという作戦らしい


「せーのでいくわよ?全力でね?」

「あぁ分かった、行くぞキノ」

『いいよ!!』

三人で兵士に向かって手を構える

「せー「『の!!』」」


目が痛くなるくらい眩しい光が兵士に向かって放たれた

もちろん負けじと兵士も魔法で対抗してくる

「だめ!!押されてるわ!!」

「頑張るんだ!!」

『負けない…!!ローの所へ行くんだからぁあああああ!!!!』


大きな爆発音とともに兵士達が吹き飛んだ

体から煙をプスプスと出して動く様子はない

「ふぅ…頑張ったわねキノ」

「大した魔力だ」

『父さん、母さん、ありがとう!!』

「いいわよ、それより…」

「あぁ…キノ」

「「いってらっしゃい」」

『…うん!!』

アタシは扉に向かって駆け出した


『…ロー…ベポ…シャチ…ペンギン』

  待ってて、今行くから





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