電王

□君との距離
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『じゃあちょっと出かけてくるね』

「おう」


デンライナーを降りて、いつもより少し遠くにある、外と繋がるドアに手をかけてやめた

振り向くと見送ってくれてるモモが不思議そうに首を傾げた


「キノー?どうしたー?忘れもんでもしたかー?」


『モモー!あのねー!』

「何だよー!」

『……ッ!』


「あぁー?聞こえねぇーぞー!」

手を顔のよこにあててよく聞こうとしている

わざと口パクで言ったことを知らないモモ




『モモのことー!大好きだよぉー!』





入り口でわたわたと慌てているモモがとても面白くてくすりと笑ってしまう


「………ぅッ!」


モモが何かを言ったが聞き取れなかった


『なにー?聞こえなぁーい!!』


今度は私が手を耳にあてる



「うるせー!!バカヤロウ!!って言ったんだよー!!」


まだ落ち着きのないモモがとても可愛いくて微笑んでしまう

私は満足して片手を大きく振り上げた

『行ってきまぁーす!!』

返事はなかったが、手を少しだけ上げてくれた姿を見て

私はドアから出かけて行った





(ただいまー)
(キノ…!!あれなんだよ!!)
(ん?新婚さんごっこ 笑)
(なっ…!!)
(ナオミちゃーんコーヒーちょーだーい)
(お前なぁ…!!)

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