one piece短編集

□ハロウィンと魔法使い
1ページ/2ページ



穏やかに海上を進むハートの海賊団の船

その船長はいつものように読み物に耽っていた



そんな時…




「せ、せせ船長ぉぉお!!」
「キャプテーーン!!」




日頃騒がしい船員がいつにも増して騒がしく船長室に飛び込んできた


「うるせぇ」

「聞いてくださいよ船長!!」
「あのね!あのね!」

「なんだ、早く言え」


「甲板の方に」
「女の子が居るの!!」


「んなわけねぇだろ、ここをどこだと思ってんだ」


ここはあくまで海の上
部外者がいるはずもない


「でも…!」
「なんか言ってくるんだよ!」

「なんて…」


『Trick or Treat!!』



「そうそう!!トリなんとかって…………で、出たぁああ!!?」
「わぁぁああッ!?」


『そう驚かなくてもいいでしょ?』

「だってお前…!!」


今まで3人しか居なかった部屋にどこからともなく変わった服装の少女が姿を現した

それにフワフワと空中に浮いていて何とも不思議な光景である


そして、ローはカレンダーに目をやるとこう言った


「なるほど…今日はハロウィンか…」


「「納得するの!?」」

どこか抜けている船長に気をよくした少女は楽しげにニヤリと口角を上げた

『お兄さん、話が分かるね!ってことでトリックオアトリート!!』

少女はローに手を差し出した

「残念だがここに菓子はない」


『え…』

少女は残念そうに手をゆっくりと降ろしていく


その手をローが掴み、ニヤリと笑った

「なければ作ればいい。イタズラは勘弁だからな」


「「えっ?」」


『…!!うん!!』


少女は嬉しそうに満面の笑みを浮かべた



お菓子作りのため食堂へ向かう


「そういやお前、名前は」

『キノって言うの』

「へぇー」
「可愛いね」

『ありがと!白クマ!』

「そいつはベポだ。こっちはシャチ、俺はローだ」

『ベポにシャチにロー…よろしく!』


「あ、ペンギン」

『えっ、ペンギン!?どこ!?』


「なんだそいつは」

『って人か!!動物の方かと思った!!』


「ハロウィンだから菓子が欲しいんだと」

「そうですか…で、これからどこへ?」


「お菓子作るんだよー」
「ペンギンも来いよ!お前こういうの得意だろ?」

「なんで俺が…」


シャチがペンギンに耳打ちをする

「…船長が作るって言い出したんだよ…」

「…仕方ない」


『アタシはキノ!!よろしくねペンギン!!』

「あぁ」





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ