夢物語

□こよみヴァンプ 04
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目が覚めた
またまた暦がいなかった

ってか3話続けて冒頭が目を覚ますところからって・・・
ちょっとワンパターン過ぎるんじゃないかな?
というか、かなりワンパターンだと思う


まあその話は置いといて
今重要なのは

暦がいない

ということ


時刻は3月28日の午後4時30分

別に私が不健康な生活をしていてこんな時間に寝ているわけではない
所謂お昼寝というやつだ


よく見ると隣で一緒に寝ていた吸血鬼もいなくなっていた
ちなみに昨日の間に随分仲良くなって
私は吸血鬼さんから吸血鬼ちゃん、吸血鬼ちゃんはうぬから美麗へと呼び方が変わったほどだ
もう忍野さんもびっくりの仲良しぶり

まあ抑えてもらっているとはいえ、完全ではない私の体質に因るものだと思うけど
ん〜、まあどうでもいいや


あ、そういえば今言った通り忍野さんに体質を抑えてもらってます
って言っても、私には違いがわかんないし〜
どれくらい効果が残ってるかわかんないんだけどね〜
忍野さん曰く


「このお守りを離さなきゃ大丈夫だと思うよ」


だから
一応首から下げてます
これでいいのかな?



というか
重要って言っておいてかなり放置している暦のことだけど
たぶん吸血鬼ちゃんがいるから大丈夫だと思うんだけど・・・

そう思いながら隣の部屋に行ってみる


『あれ?』


なぜか忍野さんはいなく、もぬけの殻
ちょっと寂しい
というか、かなり寂しい感じになっていた


『ん〜?
 みんなどこにいったんだろう?』


部屋には誰もいなく、暗闇が広がっていた
1人も暗いのも苦手な私には結構辛い


『だ、誰か〜』


そう言いながらとりあえず下に下りてみる
まだ4時だし下に行けば少しは明るくなるだろうって考えからだ










案の定、暦達はいた


『えーと・・・』


久しぶりに起きている幼なじみは

いきなり火だるまになっていた
吸血鬼ちゃんも一緒に火だるまになっていて、それでも暦を引きずって建物へと向かって来ている
たぶん暦が勝手に太陽の下に出ちゃって吸血鬼ちゃんが連れ返してるって感じかな?

って、こんな冷静に状況分析してる暇はないね!!


『とりあえず手伝わなきゃ!!』


そう思って急いで2人の側に駆け寄り暦を引っ張る

ズルズルズル

そんな音をたてながら
ようやく暦を建物の中に入れることが出来た


「え、え、ええ・・・・・・?」


こんなに頑張って引きずったっていうのに、暦は今まで燃えていた身体や服が無事なことが驚きらしい
全く・・・!!

と思っていると


「全く」


吸血鬼ちゃんが同じことを言った
ちょっとびっくり


「いきなり太陽の下に出る馬鹿がどこにおるのじゃ
 ちょっと目を離しておる隙に、勝手な真似をしおって
 自殺願望か、うぬは
 並の吸血鬼なら一瞬で蒸発しておったぞ」
「・・・・・・え?」


というか、暦は並の吸血鬼ではないんだね〜
まあそうだよね〜
忍野さんから聞いたけど吸血鬼ちゃんって吸血鬼の中でも最高ランクの吸血鬼らしいし
かなり強いんだね〜


「日のある内は2度と外に出るでないぞ
 なまじ不死力があるだけに、焼かれ、回復し、焼かれ、回復し
 の、永遠の繰り返しじゃ
 回復力が尽きるのが先か太陽が沈むのが先か
 いずれにせよ、生き地獄を味わうことになる
 まあ、不死の吸血鬼を生きておるのだと定義すればじゃがのう」
「え、え」


暦は酷く戸惑った表情で吸血鬼ちゃんを見る
何て言うか、私は眼中に無しって感じだね
まあ私も説明しづらいからこのままでもいいけど〜


「じゃ、じゃあ、お・・・・・・お前、ひょっとして」
「うむ」


吸血鬼ちゃんは頷いた
そして思い切り高飛車な態度で胸を張り


「いかにも、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードじゃ
 ハートアンダーブレードと呼ぶがよい」


長いな〜
絶対暦は覚えられないね〜


「眷属を造るのは400年振り2回目じゃったが
 まあその回復力を見る限りにおいて、うまくいったようじゃな
 暴走する様子もなさそうじゃ
 なかなか眼を覚まさんから心配したぞ」
「け、眷属?」


ほんと、心配したんだよ〜
という言葉はちょっと雰囲気に似合わなそうだから黙ることにした
というか、どこまで暦が私に気づかないかを試してみたくなった〜


「そう
 ゆえに、うぬ・・・・・・む
 そう言えば、まだうぬの名前を聞いておらんかったの
 まあよいか
 これまでの名前など、今のうぬにとっては何の意味も持たん
 ともかく、従僕よ」


吸血鬼ちゃんは笑った
凄惨に笑った


「ようこそ、夜の世界へ」
「・・・・・・・・・・・・っ」


ごめんなさい
KYだと思うけど言います
暦の名前が無くなると私は困るかな〜
なんて

うん、ごめんなさい
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