夢物語

□こよみヴァンプ 09
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羽川さんに事情を説明する前に、しかし、私達にはやっておかなければならないことがあった
それに、やはり、いかになんでも夜が深過ぎる
羽川さんには一旦家に帰ってもらうことにした

明日の夜、全部話すことを約束して
もちろん、昼のうちに私が説明することも出来たけど、やっぱり暦が直接言わなければいけないだろうと思ったから、何も言わなかった

そして私達は例の学習塾へと帰った
忍野さんは留守だったけれど、2階の教室で待っていた吸血鬼ちゃんに、暦は、とりあえず右脚を取り返すことに成功したと伝えた


「よくやった」


と、吸血鬼ちゃんは言った


「まあ、儂の眷属としては当然のことじゃがのう
 この儂の力を受け継いでおるうぬならば、ドラマツルギーごとき、相手にもなるまい」
「十分相手にはなっていたんだけどな・・・・・・
 あいつ、諦めのいい奴だったよ」
「ふん
 まあ、ドラマツルギーは3人の中では1番物分かりのよい奴じゃからの
 別に脅すつもりはないが、残りのふたりはそうもいかんぞ」
「だろうな・・・・・・」


エピソード
巨大な十字架を肩に背負った男の人と
なにも持ってないけどなんだか怖い雰囲気を持っていたギロチンカッター

話し通じなそうだもんね〜


「しかしまあ、今はとりあえず喜ぶがよかろう
 これでうぬは確実に1歩、人間に近付いたわけじゃからな」
「そうか・・・・・・?」
『そうだよ!!』


思わずそう叫んでしまうと暦に苦笑された
なんかちょっとかなしい・・・

まあいいや、寝よう


『暦、寝るね』
「ん?
 ああ、わかった」


そう言って暦にもたれ掛かって寝る姿勢を取る
暦の側であること、ドラマツルギーと暦の戦いで精神的に疲れていたことからすぐ寝ることが出来た





















「お帰り、忍野」
「ただいま〜」


あ、忍野さんの声が聞こえた


『うー
 忍野さん?』
「ん?
 おはようかい?お嬢ちゃん」
『うん
 おはよう』


まだ暦に寄り掛かったままの状態で忍野さんに挨拶をする
暦がまだ寝てないから朝にはなってないんだね


「阿良々木くん、お疲れさまだったね」
「言われるほどじゃねえよ」
「何言ってんの
 頑張ってたじゃない
 僕は陰ながら見守っていたから知っているよ」
「・・・・・・そうなのか?」
「うん」


頷く忍野さん
陰ながらって変態さんっぽいね


「阿良々木くんが女子にスカートをまくらせてたのも、だから知っている」
「・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』


うわ・・・
思い起こしてみると暦の方が変態さんだったね・・・
ごめん、暦


「えっと・・・・・・
 その、忍野」
「ああ、心配しなくていいよ
 阿良々木くんが正面になるような位置関係で見ていたから、その子のパンツは僕の角度からは見えなかった」
「そんなこと心配してねえよ!」
「いい友達持ってんじゃん
 クラスメイト?」
「クラスが違うよ
 でもまあ・・・・・・
 友達だ
 羽川 翼という
 委員長の中の委員長だ」


暦は少し恥ずかしそうにそう言った

ふうん、と忍野さんは何もいうこともなさそうに呟いた


「いずれにしても、目撃者にはちゃんと説明しておいたほうがいいよ
 特にあの子は賢そうだったしね」
「そのつもりでいるよ
 どういう風に話したものかは、わからないけどな」
「突き放すって手もあるけどね」
「それは失敗した」
「あっそ
 女の子が相手なんだ、どれだけ気を遣っても遣い過ぎるということはないさ」
「男子だ女子だは、この場合あんまり関係ないと思うけど」
「おやおや、随分と自覚が足りないじゃないか
 男子なんて、女子と違ってダンスのひとつも創作できないんだろう?」
「・・・・・・いや、あたかも女子のほうがクリエイティブな才能を持っているかのような物言いだが、それは単に体育の授業で女子は創作ダンスがあるっていうだけのことじゃないのか」


そうだよね〜
なんで男の子は創作ダンスないんだろう?
ダンス出来ないわけでもないしね・・・?
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