短編
□ジェームズの場合
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【羨ましいな】
突然聞こえてきた声に振り向くと
「ああ、サクラかい?」
『あれ、ジェームズ
どうしたの?』
最近シリウスを通じて仲良くなったサクラがいた
彼女はマルフォイ家でスリザリンだが、純血主義じゃないし、なにより僕たちと同じくらい悪戯が好きなことで意気投合した
「また言ってたよ?
いつもの癖」
『癖?
ああ、あれね』
苦笑しながら彼女は答える
癖
なんでも羨ましがるのが彼女の癖だ
その癖を悪く思う人もいるが、僕はそう思わない
良いところを見つけそこを羨ましいと思えるサクラは素敵な子だと思う
まあ僕が愛してるのはリリーだけだけどね!!
「で、今日はなにが羨ましいんだい?」
『私、ジェームズのそういうところが羨ましいな』
「???
どういうことだい?」
『ふふ
さっきまでのこと
全部口に出してたよ?』
そう言って笑うサクラはとっても綺麗だった
リリーより先にサクラに会っていたら惚れていたかもしれないと思うくらい
「ほんと、かなわないね」
『ん?
それはこっちのセリフだよ?』
じゃあね
と言って僕の横を通っていくサクラが最後に言った言葉
『私も×××××より先にジェームズに会ってたら惚れてたかもね?』
「!?」
ほんと、サクラにはかなわないよ
そのまま呆けていた僕がシリウス達に見つかって騒がれるまであと少し
END