例えば、
手元に同じ名称のモノが二つあるとして
その内の一つが、
生まれた瞬間から不良の場合
人はソレを持ち続けることが出来るのだろうか。
普通なら、
「世界に一つしかない」と言われるモノ。
だけど、
一つが不良と解った瞬間から
そのモノの存在価値は無くなり、
人はまた始めから同じモノをつくるのではないだろうか。
新しくつくったモノが完璧に完成したら、
不良の存在価値はいよいよ皆無になる。
それはつまり、
『不良』から『いらないモノ』への変換。
人は『いらないモノ』をいつまでも抱え込むことはしない。
それは合理的ではないと、
本能が解っているから。
故に、
捨てる。
人は『いらないモノ』に対しては、
意識的であろうと
無意識であろうと
『捨てる』こと以外は考えない。
―― だから私は、何も無い・・・――
『黒猫の生き方』
―【空谷足音】―
黒猫と桃の花
桃の花は黒猫を想う