箱庭の明かり

□箱庭の準備
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「う〜ん」

朝の風が窓に入ってくる。

カーテンが揺れて実に清々しい。

「いい朝だぁ」

伸びをして欠伸をする。

問題も解決してスッキリする。

なんとあの出来事があってから嫌がらせや脅しがパッタリ止んだのだ。

なぜだかわからないけどまあ、一件落着だからいいだろ。

相変わらず視線はあるけど少しずつ弱まってきた。

このまま消えてくれてもいいがまあ、そう上手くはいかないか。

「うーん。よし、学校行くか」

ベッドから立ち上がりタンスに掛かった制服を着る。

「よし、文化祭に向けて頑張るぞぉ!!」




「おはよう!!」

教室に入り秋菜ちゃん達に挨拶する。

「あ、明おはよ」

二人とも手を振ってくれた。

ああ、いつも通りの朝だ。

「あ、明さぁ、ノート貸してくれない?」

秋菜ちゃんが手を合わせて懇願する。

「ノート?」

「そ、ノート、数学の。私この前の昼寝しててとって無いんだよねお願い!!
明字がきれいだし細かいし読みやすいから」

「い、いいけど雫ちゃんに頼めばいいのに上手いし」

「雫に頼むとお金払わないといけないから無理」

秋菜ちゃんが困ったように肩を竦める。

「当たり前でしょ。この世はギブアンドテイクだからね」

雫ちゃんがキッパリと言い放つ。

「う、これでも友達やってる私が不思議だよ」

秋菜ちゃんがトホホと泣き真似をする。

「そう?じゃあ、友達やめる?」

雫ちゃん・・・なんかシビアだ。

「う、嘘です。冗談冗談!!」

秋菜ちゃんが必死で弁解する。

おの秋菜ちゃんも雫ちゃんには勝てないね。


そのまま何事も無く?学校は終わった。
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