長編夢小説
□旅人の正体は。
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乱馬視点
おれは、明日という女を、屋上に呼び出した。
いや、まぁ変な意味とかじゃねえよ?いちおう、正体を聞いとくためさ。
いちおう、呪泉卿仲間みたいだし。
「・・どうしたんだ、私をこんなところへ・・。あんたも、私の正体がわかってるはずだろう、」
「ん、まぁな。一応、と思って。」
「一応?」
おれの言葉に、明日は首をかしげた。
「お前、男傑族なんだろ、」
「・・うん、でも、よく女傑族と間違えなかったね、」
「シャンプーのばあさんから聞いたんだよ。」
「・・なに!?シャンプー!?」
「お、やっぱりしってんのか、この辺で、中華料理店をばあさんと開いて、看板娘だぜ、」
「そうなのか・・ふうん・・後で、連れて行って、くれない・・か?」
・・ちょっと、可愛い・・。か?
は、なに思ってんだろうな、でも、・・シャンプーもそうだけど、やっぱこういうやつはたいてい、綺麗な顔してるんだな・・。
っと、そんなことより。
「で、明日。っていったっけ、お前、男溺泉に落ちたんだろ、」
「な・・なぜわかるんだ、」
「わかるよ、昨日の騒動で、な。お湯を良牙と一緒にかけたとき、雰囲気が変わったもんな。」
「うん・・その通りだ。」
明日はこくりとうなずく。
「・しっているということは・・お前も、呪泉卿に落ちたのか?」
「・・せーかい、」
「・・なんになるんだ?」
なんでだろうな、近くにバケツがあった。しかも水。明日にかけられた。
バシャぁっ・・。
「あ・・お、女か、」
「そーだよ、」
「へえ・・・私とは反対なのか・・。」
「おう、さっさと元に戻りてえところだぜ、」
「私もだ・・。」
と、そのとき。
誰かにぎゅうっと抱きしめられた!
「お、おさげのおんなぁああ!!!」
「うおおお!、て、めええ!!」
久能先輩だ!おれはつかさずかかとおとし。
どしゃ、と久能先輩は、ぶったおれた。
けっ、ざまあないね・
「うおお・・。まったく恥かしがりやなおさげの女、」
久能はわけわかんねこといいながら、よろよろと立ち上がった・・、そして、ふと明日を見た。
「・・な・・。」
「ん?」
あー・・もしかして。
久能先輩は、ぎゅうっと明日を抱きしめた。
「ひいィ!!」
「君、名前はなんというのだ、」
「き、さまぁああああああああああ!!!いきなり何をするっっ!!!!、」
「な、」
ちゅ、と久能先輩の頬に口付ける明日。
・・うわあ。
いや、死の接吻なのは分かるけど、なんか、やっぱり見てて恥かしい・・。
久能先輩、真っ赤になってやんの。
「き、き、君・・!!!そ、そうか、なんて大胆なんだい君は。嬉しいよ僕は・・。天道あかね、おさげの女、そして君・・名前はなんていうのだね?」
その時、
「うりゃあぁぁっ!!」
シュッ・・・!!!
明日は、どこからか番傘を持ち出し、久能先輩に向かって、目に見えぬ速さで、水平に凪いだ。
「っ・・!」
久能先輩は、間一髪で後ずさり、よけた。
サラ・・と、髪が、先輩の足元に落ちた。
もしよけていなかったら・・うわ、想像したくねえ・。
おれは、あっけにとられた。なんという早さだ。
それにやっぱり・・明日は強い。
明日の目は、獣のようだった。
「・・明日だ。」
「おお!明日というのか!いやしかし、おさえのおんな、そして天道あかねにおとらずすごい力を持っているじゃないか、いや、安心していい、すぐに君を、この腕で抱いてあげるよ!」
「・・だまれええええええええ!!!」
明日は、ぴょん、と飛び上がり、番傘を振り上げた・・!
・・にしても、あの番傘、良牙のじゃないか・・?
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