長編夢小説

□好きなのに嫌い。
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明日

良牙と、しばらく会いたくなかった。
シャンプーにあれほどいわれ、でも。

わたしはいじけるだけ。
ちがう、ちがうんだ。

私は、…良牙。きみに、会いたいだけなんだよ。
会いたい…会いたいよ。

どうしてなのかな。
どうしてわたしは、あなたを好きになってしまった?

…可愛い。
そう、可愛い。そういわれたんだ。
最初はそう。まったく信じられなかった。
私を可愛いなんていうひと。

女の男傑族。昔から君悪がられて。
いつもひとりで。
シャンプーがいて。

人と付き合うのが大の苦手だった。

あなたは、私に。

可愛いと。
すごく嬉しかった。涙が出そうなくらい。あの時は、思わず恥ずかしくてなにも言えなかったけど。
.。



私は、雨を眺めていた。
一向に止む気配もない。
いいさ、雨は好きだから。

…でも、どうしてなのか私にはわからなかった。
今日の雨は…嫌いだ。

ふと、部屋の襖の向こうから、可愛らしい声。

「明日、入るね、お茶持ってきたね、」

シャンプーだ。

「うん…。」

ふわ、と髪を揺らして部屋に入ってくる。
手にはお茶をのせたおぼんがあった。

「少しは落ち着いたか?」

「うん…。」

「それはよかったね。」

「…。」

「明日・・。」

「・・あのね、シャンプー。」

「どうしたか?」

私は、なんとか言葉を続かせようと、シャンプーの持ってきたお茶をすすった。

もう一度、シャンプーの目を見る・・。


「・・会いたいの・・私は。良牙に、会いたい。でも・・会いたくないんだ。わかんないよね、こんなこといわれたって・・。、シャンプー私、どうすればいいのかな、わからないよ、胸がいたいの、苦しいの。ざわめきを誰も止めてくれない。」

「・・・明日。ざわめきを止めてくれるのは・・きっと、良牙ネ。」

「・・え・・。」

「明日、良牙のこと好き・・。いったはずネ。今日、決着をつけるアル。」

シャンプーの大きな目を、私はただ見つめながら、聞いていた。

「・・男傑族なら・・それくらい、お安い御用のはず・・。」

「・・・シャンプー・・。」


ふと、ざわめきに光が照らされたように感じた。
なぜなのかはわからない。でも。

・・何か、道が開けた気がした。




「シャンプー・・ありがとう、!!!」




シャンプーは、優しく笑ってくれた。


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