イナズマイレブン

□限られる運命
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「・・・はァ・・」

鬼道は、大きく息を吐いた。

そしてそっとゴーグルをはずした。

ここは、雷門中の合宿所の、鬼道の部屋。

そして鬼道は、自分のベッドのうえに足を伸ばしてすわりこみ、壁に背中をあずけていた。

・・・。自分はどうしてしまったのだろう。

そういう疑問があるくせに、自分の裏側では、見知らぬ嫌悪感がうずまいていた。

「・・・なぜだ。」

ふと、



・・・限られた・・運命。

これだから腹が立つ。
なぜだ?

どうして人間にはこういう運命しか待っていないんだ?

思春期。

ああ、そうだ。
今の俺は思春期なんだ。

・・・腹が立つ。

自分で思春期だということが分かっている。

わかっているくせに、なぜこういう風に考えてしまう?

だから嫌なんだ。

思春期だの、反抗期だの・・なぜそういうのがあるんだ?

人間を包囲する、限られた運命。


・・・。



鬼道は、赤い瞳をうるわせた。



・・・コンコン。

ノックの音。

「・・・なんだ。」

うつむいて、顔も上げずにそういった。
聞こえてないだろうと思ったが、聞こえたらしくて、ドアが開かれた。

・・・不動・・。
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