短編集
□御幸とアメ
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私はアメが好きだ。特に苺みるくが一番のお気に入り
「何食べてんの?」
中庭で木陰に座りながらアメを堪能していると御幸くんが話し掛けてきた
『あめだよー』
なんて気の抜けた返事をすると御幸くんが「俺にもちょうだい」と言ってきたのでポケットを探ると二個の飴玉が出てきた
味はりんごとオレンジ
『どっちがいい?』
「あれ、珍しく苺みるくはないんだ」
なんで御幸くんが私の好きな味が苺みるくって知ってるの、と聞くのはめんどくさそうなので止めた
『うん。苺みるくは私の口の中にあるので終わり』
視線を手元から御幸くんに向けると御幸くんはニヤリと笑った
「じゃあまだあるんだな?」
『は?だからもうないって』
言ってるじゃんと言おうとしたが続かなかった。いや正しくは続けられなかった
それは御幸くんが私の口を彼のそれで塞いだから
喋っている途中だったからもちろん口は開いたまま無防備で、しかも唇を重ねたかと思った瞬間舌を入れてきた
急展開過ぎて固まっている間に御幸くんは器用に私の口の中にあった苺みるくを奪っていった
「ごちそーさん」
ちゅ、とリップ音を残して御幸くんの顔は離れていった
『わ、わたしのいちごみるく…』
「はっはっはっ 残念、もう俺のもんだ」
お前もな、なんて恥ずかしいセリフを言って御幸くんは去っていった
とびきり甘いのをお願い
(あーやっちまった…)(御幸くんってあんなにかっこよかったっけ?!)
((明日からどんな顔すれば良いんだろう))
それから私は苺みるくがもっと好きになった
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ポッキーの日滑り込みセーフ!!
ポッキー関係ないけどね!
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