短編集

□日吉の嫉妬
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理由なんて無かった。

ただなんとなく目で追ってただけ
それでも私は惹かれていった―――




夕日が差し込む教室からテニスコートを眺める。
これは私の日課だ。始めは女子がきゃーきゃー騒いでいるから何事かと思っていたらテニス部が練習していたのに気が付いて、そこからは毎日のように見ていた。

それはただの暇潰し程度で別に好きな人がいるから、とかでは無かった。

でもあの人が入ってからは周りの景色が一気に変わった。


私は彼、日吉若に一目惚れをしたのだ。



それからはちょこちょこテニス部が近くに見える場所まで行って彼を見ていた。
年上に対して決して屈しない姿勢にさらに惹かれた。


少しずつがっくんや侑士を通して彼と仲良くなった。

近くで話すと思っていた以上に表情が豊かで自分がどんどん彼にのめり込んでいくのが分かった



そこからは毎日アタックを続け二週間前やっと告白に成功した。


想いを告げた時に真っ赤になって頷いている彼を見てつい笑ってしまったのを覚えてる。





そして今日も彼の元に向うのだ。



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