夜叉の双子
□第三訓
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スナックすまいる――
お水の商売として、キャバ嬢として、客の相手をしているのは志村妙
言わずと知れた志村新八の姉である
その傍らにいるのはゴリラそっくりの男――
「どーせ俺なんて、ケツ毛ボーボーだしさァ
女にモテるわけないんだよ・・・
しかも聞いてくれよお妙さん、俺の周りにいんのって皆美形ばっかでさァ・・・女は皆そっちに流れてくんだよ・・・ハァ・・・」
後半は致し方ないような気もするが・・・
当の本人にとっては、重大なことなのである
しかしさすがはキャバ嬢、へこんでいる者にはすかさずフォローを入れる
「そんなことありませんよ
男らしくて、素敵じゃありませんか」
それに対して男は問う
「じゃあ、聞くけどさァ
もしお妙さんの彼氏がケツが毛だるまだったらどうするよ?」
その問いに対してお妙は持っていたグラスを置き
こう返す
「ケツ毛ごと愛します」
そう言ってしまったのが、今回の騒動の引き金になるとも知らずに・・・言ってしまったのである・・・