夜叉の双子
□プロローグ
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「近藤さん、あそこに誰かいますぜい」
そう言ったのは、総悟だった。
道場での稽古もひと段落し、川で汗を流しているときだった。
「ありゃあ、人じゃねーか!」
と、俺が言うが早いが、近藤さんはすぐさまそいつの元に駆け寄り口元に手を当て息をしているか確認していた。
「・・・ッ!まだ息がある!トシッ、総悟ッ、急いで医者を家の方に呼んできてくれ!」
まだ息はあるらしい。ともかく、俺と総悟は、医者を呼びに言った。
何モンかもわからねーヤツでも、放っておけないのは、近藤さんの悪い癖だ。
まあ、らしいっちゃらしいがな・・・