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【what's 拍手?B】
「この状況で言うのもなんだけど、まさかお前と こんなことをする羽目になるとはね」
「えぇ。予想だにしない出来事です」
「そう言いながら、お前はあんまり驚いてないみたいだけど」
「皿は元に戻さないで下さい」
「相変わらず細かいことを気にするね」
「細かいことではなく、常識です」
「ところで、この拍手って何をすればいいの? こうやって二人でひたすら寿司を食べていれば良いのかしら?」
「それで宜しいとお考えですか?」
「いや」
「…………」
「お前は本当に愛想がない」
「はい?」
「まぁいいか。寿司屋で不自然な会話を続けるのもなんだし。拍手ってあれでしょ、何かサービスするところなんでしょ」
「おや、ご存知でしたか」
「僕だってダテに生きていませんよ」
「では、何をなさるおつもりでしょう」
「うん。杉下が僕の下にいた時の話をしようかと思って」
「…………」
「あら、気に食わなかった?」
「いえ。ですが、官房長官ともあろう御方に先に話して頂くのは気が引けます。僕が先に話しますよ」
「そう。でもなかなか良い案でしょ。寿司を食べながら昔話に華を咲かせるのも悪くないよね」
「あれは、僕が二課から本庁へ異動した時のことです」
「あ。もう始めちゃった?」
「当時、小野田官房長は警視庁公安部参事官でいらっしゃいました。育ちの良さと世間離れした感覚によって、周りと若干ズレている節がありまして、」
「そういう風に思ってたんだ」
「ええ。少なくとも当時は」
「僕の沽券に関わる話題は控えて欲しいんですけどね」
「官房長の沽券を落とすようなことを、申し上げるつもりは毛頭ありませんよ」
「ならいいけど」
「ただ、部下と同席したもんじゃ焼きの店で、具材とダシの入った器を、スープと勘違いしてそのまま召し上がった話をしようと思っただけです」
「…………」
「…………」
──終──