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□ご褒美=君
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ある日の放課後の応接室。

夕陽の陽光と蛍光灯の白い光が入り交じる室内に、二つの影があった。
一つの机を前にさらさらと仕事をこなす黒髪の少年、雲雀。
その前をぴょこぴょことハニーブラウンの髪が忙しなく動き回っている。
「綱吉、そこの印鑑ちょうだい」
「はい、どうぞ」
雲雀は書類から顔を上げずに、左手を差し出す。
明るく返事をした綱吉は、言われた物を棚からひょいっと取ると、素早く雲雀の手へと渡した。

綱吉は毎日、放課後に応接室で雲雀の手伝いをしているのだった。
彼の主な仕事は書類や本棚の整理、雲雀が注文したものを取る、くらいなものだ。

「オレンジのファイルちょうだい」
「はい、どうぞ」
同じように綱吉は、的確に雲雀の欲しいものを渡していく。
それが終わると、自分に任された書類整理へと戻っていく。

雲雀は少し手を止めて、自分の前をぴょこぴょこ動く小動物を眺めてみた。
書類やファイルを抱えて、ブラウン色の髪をふわふわと弾ませながら、彼は棚から棚へと小走りに移動していく。
いつも従順に雲雀の言うことを聞いてくれる綱吉は、今なら何でも承諾してくれる気がする。
そこで、雲雀は試しに言ってみた。


「……君をちょうだい?」


「はい、どうぞ………………へ???」

いつも通りに返事をした綱吉だったが、少しの間の後に内容を理解した瞬間、彼の大きな瞳が驚きに見開かれた。
そして次に、綱吉の幼い顔がみるみる真っ赤になっていく。
にっこり。
雲雀は、子どもがイタズラをして成功したときのような顔で笑う。

引っ掛かったね。君は単純だから面白い。でも、言ったことは本気だよ?




終わり。よくあるよねww←ないない
何かタイトルと違う内容になっちゃった(・ω・;)
いつも働いてくれる雲雀さんにご褒美を。

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