紅眼の発狂者
□Finary,I don't miss you
1ページ/8ページ
外ではけたたましくサイレンが鳴る中、ロイルとエメリックはアクセサリー店の店内にいた。
2人の前にはガチガチと震える女性店員。
生々しく残る血痕、銃弾の痕跡。
警察に連絡が入ったのは約30分前。
異常に取り乱した様子の女性の声が電話越しに聞こえた。
見る限り強盗殺人─…と言いたい所なのだがどうやら違うようだ。
「……被告も、死んでいる」
ロイルはポツリと呟いた。
この店を強盗したであろう張本人は首もとから下腹部までざっくりと一刀両断。刃渡りは約60cm。
エメリックは震える女性店員と何かを話している。
一体なにをどうしたらそんなになるのであろうか。
「─…で、なんでこの強盗犯はこんな状況になった。まさか、」
「わ、私はやっていません!……女の人が突然やってきて」
「女?」
女性店員は混乱しているようで、もう話しようがないとエメリックはため息をついた。
ふと上を見上げた時、ある物が目に入った。
「おい、あの監視カメラは事件が起きた時も作動していたのか」
「た、多分」
そう言うと女性店員を奥の事務所へと連れ立って行ってしまった。
ロイルは床にあるものが落ちているのに気づく。指紋が付かないように白い手袋をつけた。
「……銃弾?」
金の鉛色をした銃弾がそこには落ちていた。それも一つや二つではない。拳銃に込められてある分そこにあった。