art戦士セティア2
□第一話 エフェクラウムと泥酔女
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「よし、っと。…出でよ黒鳥!!」
凄まじい強風とともに現れたのは零のアートで描かれた黒い鳥だった。
翼を広げれば約10mはある。
「黒鳥で上へ飛ぶ気!?」
「え?うん!」
ひょいっと黒鳥の背中に飛び乗る零を見てセティアはやめるよう叫んだ。
「あんたね;上はどうみても木が交差しているでしょ!!」
真上を見上げてみるがやはり木々の枝が交差し葉も生い茂っている。あんなところに突っ込んだら…
考えるだけでいやな汗が出てきたセティアは黒鳥に飛び乗って零を無理やり降ろそうとした。
「大丈夫だよっ!!」
「なんで言い切れるのよ!;このまま突っ込んだら…悪い意味で串刺しよ」
しかしお構いなしに黒鳥は高度を上げていく。やがて枝が頭をかすめたとき、セティアはギュッと目をつむった。