art戦士セティア2

□第一話 エフェクラウムと泥酔女
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「こんなに森が広かったんだね」


「しかしまぁ…よく上に上がれたわね」


セティアは自分の体や髪の毛を探るが枝や葉がひっついていないことにようやく気付いた。


「もしかしたら…あの森自体アートだったのかもね」

「森自体が…?」


「もしあの森の木自身が騙し絵みたいなアートだったら、実際は空は見えていたけど木が多すぎて目の錯覚でまったく見えてなかったかもしれない」


確かに、と納得するとこの森自体アートということに改めて感激する。
さすがアートの世界。


「森は抜けたとしてこれからどうする?」


「?」


セティアにはわかっていた。
ABA大会も終焉し、共に闘った仲間たちはみなバラバラに旅立っていった。セティアも同様、兄を探すため零とともに旅をしているが旅路に欠かせない資金というものがそろそろ底を尽きそうだった。これじゃ明日食べていけるかも不安だ。




「とりあえず、町か村まで黒鳥を飛ばそう。行けるわよね?」


「もちろん!」


黒鳥が一鳴きすると速度を上げ空を舞った。
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