art戦士セティア2
□第九話 夢見心地の幻
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「アスランさん、これは一体…」
「セティア、この店が幻と呼ばれるのはもう一つ理由があるんだ」
「もう、一つ」
アスランは窓枠に手をかけ、静かに息を吐いた。
「詳しくは言えない、だけどこの店は訳あって灼熱の砂漠地帯の下を移動しているんだ」
「砂漠地帯の下!?」
「そう、だから店の場所は転々としている。しかも見つけたとしても簡単にはいれない」
このアスラン店に何が起きたかと思えばこれだ。幻だなんて地上ではなく地中にあるなら誰にだって見つけられるわけがない。
「アスランさんの店が地中にあるからみんな幻って言ったのね」
納得したように呟くとアスランは少し考えた顔つきをしてから小瓶を取り出した。
「それもあるけど…一番はこれかな」
「…ビーズ?」
「そう、僕のアートはビーズだからね」
小瓶には小さな金色のビーズが入っていた。アスランが振るたびにキラキラ光る。