art戦士セティア2
□第九話 夢見心地の幻
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セティアの手に握らせたのは銀色の小さな笛。
キラリと反射した光が目に入り自然と眉をしかめた。
「これは?」
「アスラン店に用事がある時、それを吹けばいい。音に反応して砂の中から出てくるから」
「やったよセティア!毎回探さなくていいんだよ」
「………ドラゴンとも……対峙しない」
零とクレインが嬉しそうにほほえむ。
アスランもにっこりと笑う。
「そうだ。セティアと零に言わなきゃならないことがあるんだ」
急に真剣な顔つきになったアスラン。二人ともその真剣な空気に肩をふるわせ、向かい合う、。
「君たちと同じ種族、エルフ族がここに来た」
「!!?」
「アスランさん、そのエルフ族は!あたしと同じ髪色でしたか!?」
セティアがアスランにつめよって問いただしたがただ困った顔をするばかりだ。
「わからないんだ…ただ尖った耳がフードから出ていたから」
「……お兄ちゃん」
悲しそうに肩を落とすセティアを慰めるかのようにクレインが背中を叩いた。