紅眼の発狂者

□序章 Don't be afraid
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風が穏やかに草原を揺らす。


街は賑わいを見せ道行く人は忙しそうに歩く。
カフェでお茶をする者。野菜を売っている者。

人それぞれ、自分がしたいことをやっている。




「お嬢さん、この花はいくらだい?」





花屋にはたくさんの綺麗な花が売られている。
1人の老紳士がそこを訪れ、花をいじっていた少女に話をかけた。

少女は老紳士を見ることなく、小声で150¢とだけ呟いた。



「ではこれがお代だよ」

「………ありがとうございます。少々お待ちください」



コインを受け取りエプロンにしまってから少女は花を包み始めた。

老紳士はその様子を見つめて和やかな笑みを浮かべる。



「ここも平和になったものだよ。二年前なんて、この広場は激戦地区で花なんて買えなかったのに」


「…………」



「戦いが、終わってよかったよ」




話が終わると同時に少女の手からは花束が渡された。
老紳士は改めて少女にお礼を言おうと顔を見た時だった。
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