紅眼の発狂者
□序章 Don't be afraid
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「おや、君………」
ハッとしたように少女の顔を覗き込む。
彼女の瞳は真紅
まりで燃え上がるような色だった。
「…………何か」
「いや、君の瞳があまりにも珍しい色をしているものだからつい。すまなかったね」
「………」
老紳士は花束を大事そうに抱えて店を出て行った。
少女は瞳の色を言われたことを気にすることはなく黙々と花の茎を切った。
腰には日本刀となんともアンバランスだが。
「………平和……なった─…」
青い空のした、少女は寂しそうに呟くだけだった─
序章
fin.