紅眼の発狂者
□Finary,I don't miss you
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ロイルは自分の目を疑った。
自分が今持っている弾だけではない、他の銃弾も綺麗に真っ二つになっている。
どうやってやれば真っ二つになるかは定かではないが、本当に何が起きたのだろうか。
「ロイル、ちょっと来い!」
事務所の奥からいつもより荒げた声のエメリックが叫んでいる。
ただ事ではないとロイルが飛んで行ってみればそこには監視カメラの映像が映し出されていた。
「……これは被告?」
「強盗犯が殺される前の映像だ」
少し荒い映像だが見えないことはない。
カメラに映るのは拳銃を乱発し何かを興奮したように叫んでいる男。その傍らには人質であろう女性。
男が女性に拳銃を向けてから数秒、力なく倒れた。血が生々しく流れていき悲鳴こそはないが今にも聞こえてきそうだ。
そして、異変が起こった。
突然男の背後にオレンジ色をした服を着た女が立っているのだ。
紅眼に青緑の髪……まさしくラーナそのもの。
「紅眼、…ラーナ……?」
画面では何か男と会話をしているようだ。
だが次の瞬間、銃弾が放たれたようだった。
「あぁ!?」
しかし映像のラーナはいつまで経っても倒れない。
彼女はスラリとした日本刀を手に男へ近づく。