闇夜の混合

□ガラス玉の行方    『あの、ぬくもりは・・・?』
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あれから、3日が過ぎた。

名前も知らない、こいつを仲間としたのはいいけれど、
あれから、こいつは一度も目を覚ましていなかった。

まぁ、それもしかたないことかもしれなかった。

当初、傷は肋骨だけと思っていたけがは、船に帰ってもう一度視たところ、
そのけがだけでなく、体のあちこちが悲鳴を上げている状態だった。

チョッパーは、怒りながらも懸命に治療を続け、何とか当初問題となっていた、
肋骨のけがと、極度の疲労の回復だけと言う具合となるまでに快復した。


それまでの間に、
仲間達はこいつの部屋(病室)へと代わる代わる見舞いにとやってきていた。

あるものは、ただ静かに見守り。
あるものは、世話をし。
あるものは、一方的に話をし。
あるものは、何の食べ物が好きなのだろうと考え、帰るはずのない問いをし。
あるものは、何をする出もなくそこでただ静かに本を読み。

と、その見舞い方は様々だったが、みんながみんなこの部屋に訪れて、
こいつの様子をみていくのだ。

チョッパーなどは、船医なため、四六時中というか、何か用事のない場合は、
こいつにずっとついていたし。

かくゆう俺は、なにかにつけて、こいつの顔を見に来ていた。

そんなわけで。

名前も、身元も、どんなやつなのかさえわからないこいつのことが、
いつしか、放っておけない弟分的な位置に、収まっていた。

こいつが目をさましたときに、いろいろ聞きたいことはあるけれど、
なによりまずは、これからどうしたいのかと聞いてみたいと思った。

なぜかって?

だって、気になるじゃないか!
こんなにも、仲間達が認めている。
新たな仲間となったこいつの意志は、何を目指すのか・・・。

なにより。

こいつの意志なく、勝手に「仲間だ!」なんて言ったけれど。
この3日間の仲間の様子を見ていて、本当に仲間になってくれたらいいなって思ったんだ。

だから・・・。

早く目を覚ませ。
そして、おしえてくれ。

お前は何がしたい?
何を目指す?

俺達と一緒に冒険しないか!

俺が、こいつの傍らでそんなことを考えていたときだった。

小さく身じろぎしたかと思うと、こいつは、重たい眉をゆっくりと開いた。
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