The chain of bond

□それから……
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由「……こんな所に、本当に氷なんかあるの?」


「……私に聞かないでよ……」




ただ今私と由希は台所(本田さん曰く“腐海の森”)にて、氷探索中です



「取り敢えず、冷蔵庫は無事だから氷自体はあると思うけど……」


由「問題は……入れ物、だね」








…………………。









由・主「…………ハァ」




取り敢えず、頑張りますか










――――――――――
――――――
――――









「何とか見つかったね」


由「……凄く時間が掛かったけどね」


「そこは、まぁ、気にしたらダメだよ。終わりよければ全て良し、ってことで」




氷と入れ物を何とか見つけだし、私と由希は本田さんの寝ている部屋へ向かう
















「――――………。」


「……―――。」


















…………?



何か、声がする………?


















透「………いつだって私の為に働いてくれてるんだって分かってました。


なのに、そんなお母さんに“行ってらっしゃい”を言えなかった。働きに出るあの背中さえ見れなかった………。


バカです。赤点取っても、家が吹き飛んでも大切にしなきゃいけなかったのは、お母さんだったのに………」
















本田さん…………



由「……………」


















透「だから、せめて高校は…お母さんが入学することを望んだ高校だけは、無事に卒業したいです………。


こんな熱に負けてる場合では………ない………です………」

















由「…………寝た?」


呉「!……聞いてたの?」


由「………驚いた。学校じゃ、いつも元気そうで…苦労とか、そういうものと無縁に見えたのに………凄いね」


呉「……凄いって何が」


「……由希………?」


由「……俺、草摩の家から飛び出してきたつもりだったけど……。結局こうやって同じ草摩家(ムジナ)の処にいるんだ。

本当に嫌なら本田さんみたいにテント抱えて秘境にでも行けばいいのに………。


甘えてるよな…………って」


「……………。」



……なんとなく分かる気がする


私も由希と同じだし


あんなに嫌ってたのに結局、草摩家(ココ)にいる




呉「君は所詮お坊ちゃまだからね。透君とはハングリー精神が違うよ」



呉兄はそう言いながら、ぺしっと由希の頭を持っていたうちわで叩いた



呉「それに、凄いなんて言うのは透君に対して失礼だよ」



……テント暮らししてたのに対してあんなに大爆笑するのも失礼だと思うけどね←




また口に出していたのか、由希に睨まれた


ごめんっっ雰囲気壊したのは謝るから!そんなに睨まないで!!


本当に怖いからっっ





由「あと、頼んでいい?出掛けてくる」


「どこに……って、まさか、あれ掘り返すの?」


呉「僕も行こうか?1人じゃ大変だろう」


由「………1人?


誰に向かって、言ってるのさ」




そこには、妖しく笑う由希がいた


呉「………行ってらっしゃい」





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