The chain of bond
□嵐の夜に
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「…いきなり降り出したねぇ。天気予報では快晴だったのに」
忍「何でも、突発型台風らしいで」
「何で、侑士がそんなこと知ってんの」
07.嵐の夜に
秋になり、私もマネージャー業に慣れてきた今日この頃
1年生大会(文字通り、2年生は出ない1年生だけの大会)が近いらしく、10月に入ってからは、夜遅くまで部活がある日々が続いていた
今日も例外ではなく、私たちテニス部は、辺りが真っ暗になるまで練習していた
そして、部活が終わり、部室内(部員用のね)の水道でボトルやキーパーを洗っていると(部室内に水道があるって……;)
ザーーーーーーーッ
いきなり雨が降り出した
宍「…何か、バケツをひっくり返したような雨だな」
ほとんどの部員は雨が降り出す前に帰ってしまい(っていうか、手伝おうとしたのを無理矢理帰した)、部室内にはいつもの6人しかいなかった(←意地でも帰らなかった人たち)
そんな中、宍戸がポツリと呟いた
「…例えがまさしく、庶民って感じだよね」
宍「…ほっとけ」
忍「そんな事より、こんな天気やし夏は帰れるん?」
「無理でしょ」
向「キッパリ言ったな」
何だかんだで呉兄の家は山の中にある
ただでさえ夜遅いのに、こんな天気じゃ普通に考えて無理でしょ
(いつもは、テニス部の中で唯一私が住んでいる家を知っている侑士が送ってくれていた)
どうしましょっかねぇ〜…
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