企画

□野菜ジュースが好きになる
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「小十郎様、その手に持っているのはなんでしょうか」

「あぁ?てめぇが野菜食わねえから俺が直々に作ってやったんだよ」

「、、、、はい、だから何を?と聞いてるんですけど」

「野菜じゅーすだ」




















じゅーすってなんすか。
と聞く前に小十郎様の後ろでほくそ笑んでる政宗様が見えたのでもう何も言わない思わない。畜生、あの馬鹿殿が。いらん知識教えやがって。


じゅーす、か。小十郎様の持っている瓶の中を見ると流動食に近いものだが、、、、。野菜と名がつくのだから野菜で出来たものなのだろう。おうえ。



野菜を摂取しなければ十分な栄養が得られないとは自分でもわかってる。だが胃が受け付けないし、、、、。元々野菜嫌いな私は必然的に小十郎様の目の敵的な位置にある。



最初は野菜を食わず他の人にやっている所を見られ小十郎様が極殺になり、私の事情を知った小十郎様は渋々と言った感じでなんとか食わせようとしてくれた。


魚と共に食べろとか、何かと一緒に食べさせる事が多かった気がする。でもやっぱりまるごとだと受け付けなくてすぐに戻してしまった。それこそ野菜、食べ物自体無駄にしているからとまた極殺になったけど。こっちだってアンタの無茶に付き合わされていい迷惑だ。
必要最低限の野菜はすり潰してごまかして摂取しているから構うなと言ったら、



「ッなんでそれを言わねえんだよてめぇはぁぁああああ!!!!!」



三度目の極殺。いい加減にしてくれ。








そんなこんなで小十郎様は私をあまり良く思ってない、だろう。私は小十郎様の(あの極悪人面で)野菜を大切にする所とか、政宗様へ(親ばか並み)の忠義を尽くしている所とか、まぁ好きだったりした。好きと言っても慕うというよりは尊敬だった。


強くて、何もかもが大きくて。

だって、、、、あの人いい人過ぎる。こんな野菜嫌いの子供みたいな私に一々世話を焼いてくれる所とかが、、、、







「好き、、、だったりするんだよな?」






「政宗様どっから出てきました?」

「Ahー、、、野菜ジュースの所からか」

「それ最初からって言うんですよ」

「まぁ気にすんな。それより小十郎の作ったジュースは飲まなくていいのか?野菜成分たっぷりだぜ?」

「、、、、、、、、、、、、、、、。野菜味の飲物なんて無理です。野菜の味には変わりません」

「安心しろ、全然野菜臭くねーから」

「なんで政宗様が知ったような口叩くんですか」

「Ha!俺直々毒見してやったぜ!」

「それ味見って言うんですよ。で、どうでした?」

「美味かったぜ?俺も最初は色んな野菜入ってるんで身構えたが――案外アッサリした味わいで茶を飲む感覚で行ける。絶対」

「うわマジですかぁ。政宗様はどうしようもないあほんだらですけど料理が好きな面で舌は確かですからね。信じますよ?もし私が飲んで戻したら政宗様のせいですから。じゃぁ飲んできます」


「ΣWait!!あほんだらは撤回しろ!!



、、、、、おい!」


「へい」



「真面目に聞くが、、、お前、小十郎のこと好きなんだろ?」

「普通に」

「Ha!言ってろ。その内マジになるからな」

「政宗様こそ言ってろーですよ。ありえませんから」


















「Respectがlikeになり、likeがloveになんのはいつの話だろうなぁ」












とか政宗様が言ってたけど、私英語ワカリマセーンなので無視した。


































「おいどこ行ってやがッた!!?」

「少々政宗様に用がありまして、、、、」

「ったく、、、。この野菜じゅーすはなぁ、政宗様にも味見していただいたんだぞ。味は確かだ!」

「はい。聞きました」

「だから飲め」

「、、、、、、、、うぅ」

「飲め」

「うう」


ハラ、、、、(前髪落ちた



「飲めやゴラァッ!!!」

「どんだけ極殺になるんですか!!沸点低いにも程がありますよ!!」

「てめぇが飲めばいいだけだろうが」

「まじまじ見られて飲めるわけがありません!少しは察してください!」

「飲むところみねえとまた誰かにやりかねんからな。おまえ自身がちゃんと飲まなきゃ意味がねえんだぞ?


お前みたいなちっせぇ奴はな。野菜食えねえとどこもかしこも貧相なまんまだぞ。大きくなりたいなら野菜食え野菜」

「自然に言葉の猥褻行為が為された気がしますがご厚意と受け取ります。

、、、、、小十郎様はどこもこかしこもでかい方がお好みなんですか。健全というか何と言うか、、、、安心致しました。貴方にも欲があったのですね」

「失礼な奴だなお前!!


つーか、、、、

別にでかくなくても俺は、、、(ボソッ」


「ん?なんか言いました?」

「言ってねえ!早く飲め!」

「、、、、、、、うーうーうー」

「そのうーうー言うのをやめろ!!」

「うー。小十郎様痛い、痛いー。やめてー」

「だから!!そのうーうーをやめろって言ってるだろ!!」

「うー☆」



なんか某魔女物語と吸血鬼を連想させるやり取り。

ほっぺを摘まれたのでしょうがなく瓶に手をかける。蓋を取り中身を見れば『緑色』だと予想していた液体はなんと『橙色』をしていた。なんだろう。にんじん?




「、、、、そんなに嫌いか」

「頑張ります。でも、ちょっと緊張するし大いに不安です。また小十郎様の作ってくださった物を戻してしまったら、、、」

「戻しても良い。怒りゃしねえ」




あ。
頭なでられた。
ちょっと、、、、いやかなり安心する。何故だ。
小十郎様だから?
うーん、、、、。でも気持ちいいな。妙に優しい。戻しても怒らないって。つか私どんだけこの人の前でゲロ吐いてんだ。嫁に行けん。


「、、、、、、、、極殺、なりませんか?」

「ならねえよ。そこまで短気じゃねえ」



さっき沸点低かった割りに短気じゃないとか。結構矛盾してっけど極殺ならないってさ。さぁ後は私が野菜じゅーす飲むだけになってしまった。腹を括らねばならない。





「、、、、、、、、、。」

「あーもういい、かせ」

「?」





飲むと決めてもいつまでも飲まない私に痺れを切らしたのか手元の野菜じゅーすを取り上げられた。しかもじゅーすをぐびぐびと小十郎様自身が飲み始める。





なんだ、もういいのか。












「と思ったら大間違いだぁ!!!」




どっかで政宗様の声が聞こえた。













































野菜ジュースが好きになる




























グイッ

(!?)
(ん、よし)

ゴクン

((よしじゃねぇ完璧によくないよくない今何をしたんだこの人私今野菜じゅーす))
(飲めたじゃねーか)
(こここここ、小十郎様が飲ませたんでしょう!!?てか貴方どんな飲ませ方してんですか!?人として男として大丈夫ですか!?)

(お、まッ!口移ししただけでそこまで言うな!大体、政宗様がこうすればお前嫌でも飲むと仰っていたから)
(人の言う事鵜呑みにすんな三十路前!!!ああああああああもおおおお!!)

(な、おい、、、ないてんのか?)
(泣いてないですよ馬鹿。最低!)



























(小十郎、どうだった、、、、ってoh、見事な椛が咲いてるぜ、、、)
(、、、、政宗様、この小十郎、、、何か気の障る事をしましたでしょうか)
(NO!Kissの一つもしてやれば野菜ジュース所かお前も好きになって一石二鳥だぜ!)
(すみません『大嫌いッ三十路前最低!でも野菜じゅーす案外うまかった畜生が!!』て言われたんですが)

(、、、、、、、、、、、、あいつ。少し上司への態度を改めさせねえとな。おい小十郎。お前責任とって躾けとけ)

(は!)


((これでアッチの方でも躾けてやりゃくっつくかぁ?))下ネタ最低。











数日後


(おい、)
(来んな。野菜じゅーすの配分以外近付かないでください。破廉恥。不埒者)
(おまえなぁ、、、、悪かったっつってんだろ)
(小十郎様にはゲロってる所何度も見られてるし接吻までされるだなんて、、、、あーもう嫁にいけない、、、、、!!)

(んなに言うなら俺がもらってやるよ)
(!?)



10月23日 理
 

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