【 世界の中心で、愛とパスタとSOSを叫ぶ 】
□【世界旅行2周目:ローマの休日】
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<チュン、チュン、チュン―…>
今日もまた、いつものように朝が来て、ルートヴィッヒは目を覚ました。
何度か瞬(まばた)きをして、むくりと上半身を起こす。
窓から外の風景を見ては、しばらくの間はそうやってボーッとした。
独「(あぁ、何だか今日は妙な夢を見たな…)」
内容は、そう…兵士の上に、空から女性が降ってくる夢だった(それも大変美しい)。
彼女は雛を元の場所に戻そうとしたら、誤って木から落ちてしまったらしい。
ふんわりとした好ましい雰囲気を漂わせる彼女だったが―。
その正体は、実は兵士の自国の敵であった。
心を許しかけた兵士は、戸惑いながらも、最後はその心優しい彼女を捕らえたという―…。
まるで、何処にでもある恋愛小説のような世界だった。
独「(しかし、夢にしてはなかなかリアルだったな…。 どうも他人事ではないような気もするが…)」
身嗜(みだしな)みを整え、寝室を出るルートヴィッヒ。
すると、ガチャッと、ドアを開けた瞬間に、明るい声が耳に届いた。
伊「あっ、お早うルート!」
昨日は良く眠れた?
大きな瞳をキラキラと輝かせ、人懐こい笑顔を見せたのは、“イタリア”の『フェリシア』。
箒(ほうき)を両手に持ち、ルートヴィッヒを見かけては、子犬のように駆け寄ってくる。
そんな彼女の姿を見て、ルートヴィッヒは思わず頬を緩ませた。
独「ん、お早う。
お前こそ、ちゃんと眠れたか?」
伊「うん、ぐっすり!
今ね、丁度部屋の掃除をしてたんだ」
独「何だ、掃除なら良かったのに。
待ってろ、今から朝食を準備して―」
……………、間。
独「―って、違アァァァァァアう!!」
伊「Σヴェぇーーー!
い、いきなり何ぃー!?」
夢だけど、夢じゃなかった!
(by 『となりの○トロ』)
※当たり前ですが、この時代にはまだその作品は存在していません。
この時、彼は心の中でそう叫んだという…。
【世界旅行2周目:ローマの休日】 ―世界は一時の感情で動いている!―
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