【 世界の中心で、愛とパスタとSOSを叫ぶ 】
□【世界旅行5周目:ドイツは破滅の盾を手に入れた】
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〜ドイツ〜
さて、所変わって、ドイツでは―。
独「この調子でいけば、あのフランシスの髭を残らず抜ける日も近いだろうな…!」
ルートヴィッヒが、フランス軍に対する自分達の成果について、満足そうに、そう評価していた。
心なしか、自身の拳を握る力も強くなる。
ソレに伴(ともな)って、ますます士気が高まってきたような気もした。
するとソコへ、1人のドイツ人兵士が、慌ただしくやって来る。
活気づいてきたルートヴィッヒに、そのドイツ人兵士は、大慌てでこう告げた―…。
独兵士「ルートヴィッヒさん、大変です!
最悪の事態です!
イタリアが、ドイツの味方になりました!」
……………、間。
独「え―…?」
***
独「エリザベータ、フェリシア[アイツ]との付き合い長いんだろう?
何か黙らせる方法ないか?」
ルートヴィッヒが電話をかけている相手は、“洪牙利(ハンガリー)”の『エリザベータ・ヘーデルヴァーリ』である。
以前、フェリシアとの仲の良さを話していた彼女のことを思い出したルートヴィッヒ。
この状況に対して、何か解決策はないだろうかと、彼はエリザベータに頼ることにしたのだが―。
独「『楽しそうじゃない』って…。
おいおい、オレはあんな奴の子守りは真っ平だぞ」
電話の向こうからは、クスクスと、楽しそうなエリザベータの笑い声が響いてくるばかりで…。
加えて、彼のその状況を、面白そうだとばかりにからかってくるものだから、ルートヴィッヒの状況は、“困る”の一方通行でしかない。
独「ばっ…何を言っているんだ!
嬉しいわけないだろう///!
…違う、別に照れてるわけじゃない///!!
ただ、アイツはすぐに泣くし、戦いには不向きなんだ!
そんな奴の面倒など、この忙しい時に見てられ―だから、別に心配してるわけじゃない///!」
流石(さすが)のルートヴィッヒも、相手からの茶々に怒りを―…というよりは、焦りや恥ずかしさを感じられずにはいられなかったらしい。
その証拠に、普段に増して口は回るし、エリザベータからは見えないが、顔だって赤くなっていた…。
独「と、兎に角!
オレは、フェリシアを味方にするわけにはいかんのだ。
だから、この持ち出された話をどう回避すれば良いのか、こうやってお前に頼んで―」
伊「ルートー。
今日から私、アナタの仲間だよ。
宜しくね!」
独「Σうわぁぁぁぁあああ!!!」
電話していたルートヴィッヒの後ろから、ぴょこんと姿を現したのは、“イタリア”であるフェリシアだった。
(ん?、何かデジャヴ…。)
今日も相変わらず、彼女の周りの空気は、まるで花でも浮かんでるかのように和(なご)やかである。
独「な、ななな何でまた、お前がココに―!?」
…、あれ?
何処(どこ)かで、似たような台詞(せりふ)を言ったような気が…。
そのような事を、頭の隅(すみ)で思っていたルートヴィッヒだったが。
彼とは裏腹に、フェリシアは「ヴェ?」とだけ言って、のほほんと首を傾げていただけなのであった…。
◆神出鬼没なイタリア人
“破滅”の意味を、辞書で引いてこようかと思う…。
独「わ、悪いが、今日はもう帰ってくれ!
それから、今度こそ、もう二度とココに来るんじゃないぞ!?」
(※あまりの展開に、前回とまた似たようなこと言ってしまい、そしてまた、自分で胸を痛めちゃうルートヴィッヒさん。)
伊「ヴェー!?
やだやだ、今帰ったら、上司にココまで投げ飛ばされちゃうよぉ〜」
独「どんな上司だ!」
(※そして勝手に、フェリシアが自分の言葉通りに帰らないのをホッとするルートヴィッヒさん…。)
(NextPage:後書き)
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