【 世界の中心で、愛とパスタとSOSを叫ぶ 】
□【世界旅行7周目:戦車より大切なもの】
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伊「ルートー、ルートぉー。
この間怒られたから、ちゃんとしたの持ってきたよ!」
ルートヴィッヒから叱られて、早数日後。
今度こそ、“ちゃんとした準備”をしてきたらしいフェリシアは、またも腕をパタパタ振りながらやって来た。
独「…やっとか。
どれ、確認してやるから見せてみろ」
伊「あっ、うん! こんな感じ」
<じゃーん>
ソコにあったのは―。
パスタに、パスタの具に、ワインに、パスタに果物…それからパスタ―。
独「一緒だろ!!」
大声で、思わずそんなツッコミ(?)をしてしまったルートヴィッヒ。
いや、でも、確かに中身は同じものだったから、そう言いたくなる気持ちも分からんではない。
何処(どこ)が変わったのかと、敢(あ)えて言うのならば、彼女の荷物に、ピッツァが追加されていたことぐらいだろうか…。
独「全くお前は、こんな装備で戦えると思ってるのか?」
伊「うーん?」
ルートヴィッヒは、フェリシアの両頬をむにむにと引っ張って(※無自覚)、彼女にそう問うた。
(「むっ、柔らかいな…」と思ったのは、秘密である。)
しかし、やはり分かっていないのか、フェリシア1は少しだけ唸(うな)ってしまい、考え込む。
独「何か戦いに使えそうな物は持ってないのか?」
「白旗以外で!」。
最後に、そう付け加えるのも忘れない。
そして、フェリシアは考えた末に、“とある人物”を彼に紹介した。
伊「マキャベリさんしかいない…」
独「残念だが、ソイツは使えないんだ」
イタリアの偉人も、今回は出番でないようなのであった…。
※【ニッコロ・マキャヴェッリ】
代表作は『君主論』。
弱過ぎるイタリアを憂い、戦術論を書いた人。
でも悲しいことに、自分の書を実践してみたらヘタレだった。
軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツ曰く、「まぁ間違っちゃいないよ。 間違っちゃ…」とのこと。
◆それでもパスタは譲れません
戦いの前に、準備の前に。
まずは、そうだ、“準備とは何たるか”からである。
伊「ヴェ〜、そんな事より、お腹が空(す)いたよぉー…」
独「こらっ、ちゃんと話を聞け!
今からオレが直々(じきじき)に、“準備とは何たるか”やらをだな―!」
伊「ヴェー!」
(NextPage:後書き)
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