【 世界の中心で、愛とパスタとSOSを叫ぶ 】
□【世界旅行8周目:…友達、だよね】
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斯々然々(かくかくしかじか)で、ルートヴィッヒとフェリシアが、イギリス兵に捕まってしまいました。
英兵「さぁ、お前の持ってる情報全て吐いてもらおうか」
イギリス兵が、銃をちらつかせながら、2人にそう言い詰める。
ルートヴィッヒは、その時、恐怖に怯えるフェリシアをチラリと見た。
伊「ヴェ…怖いよぉ、ルート…!」
独「(っ…フェリ…)」
じわりと涙を浮かべるフェリシアが、可哀想でならない…。
ルートヴィッヒは、キッと、イギリス兵を睨み付けた。
情報を話す気は毛頭ないが、そうなると、これから拷問されることも考えられる。
もしそうなってしまったなら、「彼女に拷問を受けさせるわけにはいかない…!」と、彼は考えていた。
男性と違って、女性の拷問は、本当に何をされるか分からないのである…。
ルートヴィッヒは、己の誇りの為にも、彼女を守る為にも、敵国の兵士に噛み付いた。
独「これからえげつない事をするんだろうが、最初に言っておく。
オレは何も言わんぞ!」
<ジャキッ>
伊「Σうわぁ、やだー
銃向けないで!
ごめんなさい、何でも言います!」
………、あれ、可笑しいな…。
隣のほうから、あっさり降伏してしまった声が聞こえたような…。
独「貴様等如きの拷問など、日々の生活に比べたら、蚊に刺された程度という事だ!」
伊「えーっと、あの人すっごいドSなんだよ
ドSで、家に凄い本とか、DVDとか、いっぱいあるんだよ!
この間見かけたのは、犬とかと絡んでた!
あー、あと縛るのがすっごく好き!
ちょっと前まで、政府がエッチすんの推奨してたし―」
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〜牢屋(ろうや)〜
独「お前なんか嫌いだ!」
牢屋に入れられてから、膝を抱えて座り込んでしまったルートヴィッヒ。
そんな彼を見て、「ヴェー…」と、申し訳なさそうな顔をするフェリシア。
2人きりになれたのは、状況が状況とはいえ、嬉しいことなのだが―。
散々、自分の恥かしい秘密を敵にバラしたフェリシアに、一言だけ、どうしても一言だけ言いたくて…。
彼は、彼女に背を向けたまま、それはもう精一杯に「嫌い[ソレ]」だけ告げた。
彼の背中には、恥ずかしさや怒り、情けなさや悲しみ…とにかく、複数の感情が、複雑に絡み合いながら漂っていたのだった…。
※【どうでも良い現代ドイツ軍豆知識】
ドイツ兵8割がメタボリック。
兵士同士での性行為が、正式に許可されている(ただし、合意の上でに限られる)。
◆人生、そんな事もありますよ…
無事に帰れたら、まずは“アレ等”を、もっと見つかりにくい場所に隠そうと決めた…。
伊「ご、ごめんねルート!
つい喋っちゃって…。
でも私、ドSなルートも嫌いじゃないよ!」
独「ううう五月蝿(うるさ)い///!
(そもそも、何故お前がソレを知っているんだ、いつ見つけたんだ///!?)」
(NextPage:後書き)
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