【 世界の中心で、愛とパスタとSOSを叫ぶ 】

□【世界旅行8周目:…友達、だよね】
4ページ/5ページ

***





斯々然々(かくかくしかじか)で、ルートヴィッヒとフェリシアが、イギリス兵に捕まってしまいました。



英兵「さぁ、お前の持ってる情報全て吐いてもらおうか」



イギリス兵が、銃をちらつかせながら、2人にそう言い詰める。

ルートヴィッヒは、その時、恐怖に怯えるフェリシアをチラリと見た。



伊「ヴェ…怖いよぉ、ルート…!」

独「(っ…フェリ…)」



じわりと涙を浮かべるフェリシアが、可哀想でならない…。

ルートヴィッヒは、キッと、イギリス兵を睨み付けた。


情報を話す気は毛頭ないが、そうなると、これから拷問されることも考えられる。

もしそうなってしまったなら、「彼女に拷問を受けさせるわけにはいかない…!」と、彼は考えていた。

男性と違って、女性の拷問は、本当に何をされるか分からないのである…。


ルートヴィッヒは、己の誇りの為にも、彼女を守る為にも、敵国の兵士に噛み付いた。



独「これからえげつない事をするんだろうが、最初に言っておく。
  オレは何も言わんぞ!」


<ジャキッ>


伊「Σうわぁ、やだー
  銃向けないで!
  ごめんなさい、何でも言います!」



………、あれ、可笑しいな…。

隣のほうから、あっさり降伏してしまった声が聞こえたような…。



独「貴様等如きの拷問など、日々の生活に比べたら、蚊に刺された程度という事だ!」

伊「えーっと、あの人すっごいドSなんだよ
  ドSで、家に凄い本とか、DVDとか、いっぱいあるんだよ!
  この間見かけたのは、犬とかと絡んでた
  あー、あと縛るのがすっごく好き!
  ちょっと前まで、政府がエッチすんの推奨してたし―」





***



〜牢屋(ろうや)〜



独「お前なんか嫌いだ!



牢屋に入れられてから、膝を抱えて座り込んでしまったルートヴィッヒ。

そんな彼を見て、「ヴェー…」と、申し訳なさそうな顔をするフェリシア。


2人きりになれたのは、状況が状況とはいえ、嬉しいことなのだが―。

散々、自分の恥かしい秘密を敵にバラしたフェリシアに、一言だけ、どうしても一言だけ言いたくて…。

彼は、彼女に背を向けたまま、それはもう精一杯に「嫌い[ソレ]」だけ告げた。


彼の背中には、恥ずかしさや怒り、情けなさや悲しみ…とにかく、複数の感情が、複雑に絡み合いながら漂っていたのだった…。


※【どうでも良い現代ドイツ軍豆知識】
 ドイツ兵8割がメタボリック。
 兵士同士での性行為が、正式に許可されている(ただし、合意の上でに限られる)。





◆人生、そんな事もありますよ…



無事に帰れたら、まずは“アレ等”を、もっと見つかりにくい場所に隠そうと決めた…。



伊「ご、ごめんねルート
  つい喋っちゃって…。
  でも私、ドSなルートも嫌いじゃないよ!」

独「ううう五月蝿(うるさ)い///!
  (そもそも、何故お前がソレを知っているんだ、いつ見つけたんだ///!?)」




(NextPage:後書き)

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ