【 世界の中心で、愛とパスタとSOSを叫ぶ 】
□【世界旅行9周目:イタリアの特技】
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独「さっきお前等は寝たばかりだろ!
しっかりしろ!」
某年某日の夜のこと。
ドイツ軍とイタリア軍が、とある砂漠で共に行動していた。
そして、ちょうど今はドイツ軍がイタリア軍と見張りを交代する時間なのだが―。
先程まで寝ていたのにも関わらず、フェリシア含めイタリア軍は、寝ぼけた顔で「眠ーい!!」と愚痴を零(こぼ)していた。
とは言え、何だかんだで見張りを交代した両軍。
ルートヴィッヒはこの時、フェリシアに話し掛けようとしたのだが、どうも“あの日”以来タイミングが掴めずにいて、今回も見送ってしまっていた。
今でもこの2人は、目が合うことはあるものの、ろくに話しが出来ていない…。
友達と喧嘩なんて初めてなルートヴィッヒは、どうしたものかと日々悩んでいたが、「明日こそは謝ろう」とテントの中へ眠りに入ったのだった。
〜それから数時間後〜
伊軍「ドイツの奴等、寝ましたぜ」
伊「よーし、作戦ー決行ーーー!」
ドイツ軍全員が、深い眠りについた頃…。
イタリア軍とフェリシアに、何やら怪しげな動きが見えた。
彼女は相変わらずのほほんとしていたが―。
<わあぁぁぁああああ>
何と、フェリシアはイタリア軍全員を率いて脱走を始めたのである!
砂漠では、イタリア軍の大行列がとんでもない速さで移動していき、遂には誰の後ろ姿も見えなくなった…。
〜朝〜
独「………こんな短時間に全員脱走か…」
独軍「奴等プロフェッショナルですよね…」
青い空が広がるなか、ルートヴィッヒは砂漠の向こうを静かに見つめていた。
味方とはいえ、イタリア軍のその見事な脱走に、ドイツ軍も苦笑するしかなかったのだった。
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