お題

□早く大人になるから待ってて
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*設定
笠松さん 大学一年生
黄瀬 高校二年生



ある日、センパイがポツリと洩らした言葉。

「あんまり会えなくて寂しいな」

「えっ?」

無意識だったようで、ハッとしたように口を塞ぐセンパイは気まずそうに俺を見上げる。

センパイが卒業して、お互い忙しくて、今は週に一度会えれば良い方だ。ほぼ毎日会っていた去年が如何に幸せだったのか思い知らされた。
正直、俺も寂しい。でも、どうすることもできなくて、 そのときはただ困ったように笑うことしかできなかった。



困ったときの森山頼みで、次の日の放課後、森山さんを呼び出した。センパイの言葉、自分の思いを話せば、

「まあ、一番の解決法は同棲だろうね。」

それは俺も考えた。でも、俺は……。
自然と顔が下がった俺を見て、ふぅと森山さんは息を吐いた。

「でも、今のお前じゃ無理だろ。
高校生で、人気モデルで、おまけにキセキの世代。」

お前、どんだけ肩書き持ってんの、と森山さんは笑った。

「来年はバスケ部部長も俺らからするとして欲しいんだけどね。」

パッと顔を上げると、ニヤニヤした顔の森山さんがいた。

「実はな、今日、笠松からも相談受けたんだ。

アイツも一緒に暮らせたらって言ってた。
でも、それは無理だとも言ってた。

同棲してることが、もし週刊誌にバレたらどうする?男同士だから何とも言える。けど、変な憶測が飛ぶかもしれない。」

そう。俺もそこが問題だと思っていた。
俺は何を言われても構わない。でも、センパイを巻き込むわけにはいかない。

「笠松、言ってたぞ。アイツは、自分はどうなっても構わないとか言いそうだ。でも、俺だって、自分がどう言われようと構わない。
でも、俺のワガママにアイツを巻き込みたくないって。」

お前が人気モデルだろうが、まだ高校生で17歳の子供だ。責任も何も取れない子供だ。

だから、と森山さんは真剣な顔をし、俺を見つめた。

「せめて、二十歳。いや、高校卒業してからにしろ。」


「俺からのアドバイスは以上。
頑張れよ。」

そう言って森山さんは帰って行った。




今すぐ、センパイに会いたい!
そう思うと同時にセンパイの家へ走り出していた。



「何だよ。」

「センパイ!同棲しましょう!!」

「はあ?」

怪訝そうに俺を見つめる、ら

「でも、俺はまだ子供ですから、今すぐには出来ません。」


「早く大人になるから待ってて下さい。」

ニコリと笑い、そう宣言すれば、バーカと照れたようにセンパイが笑った。


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今年も参加させて頂きました・∀・
翼さん、就活で忙しいなかありがとうございます!


広がれ!黄笠の輪!!

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