11/14の日記

23:56
コメディーとエロス
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逃げ恥の主題歌「恋」からちょっと興味を持ち星野源さんのアルバムを借りてみました。
…何だろう。とても軽く乗れるコジャレた楽しさの中にほの暗いものがなんとなくあるというか、さらっとした口触りの今時の軽さの中にガサガサした手触りの異質なものがわからないように草食系の大人しい顔して混じっているような感じを受けました。
聴けば聴くほど「…あれ?」という小さな違和感。これ何処かで感じた感覚だなあと思いました。新しいサラサラ感に僅かに混じるレトロなアングラ感。
言葉が上手く言えないんだけどこの人は本当はすごいドロドロした繊細な闇を抱えててでもそれを消そうともせず怒りや悲嘆もせず、楽しんじゃってる感じがするなあと思ってたらホントにそんな感じのコメントがあって。
プロフィール観たら心身ともにかなりな目に遭われた人なんだなあと納得。
特に近年に二回も入院してかなり危なかったのを克服されたくだりの本人のコメントが良い意味でイッちゃってるなと思いました←
悲しみ苦しみをコメディーやエロスで乗り越えるって人間の動物的な生命力というか本能かなあと。
映画の「ライムライト」とか「ライフ・イズ・ビューティフル」とか観た時もつくづくそれを思いました。
どん底にコメディーが何故必要なのか、それをどう理解するのかとかじゃなくて、乗り越えたい気持ちや愛したい気持ちや生きる事を心から肯定したい気持ちがそういう形を取るんだなあと。
理屈じゃなく生きていく為に大切な本能の中の一部にコメディーやエロスがあるかもしれないなと思いました。

星野源さんの話から若干逸れましたが「ライムライト」と「ライフ・イズ・ビューティフル」はコメディーあんまり興味ない方に個人的にはオススメしたいと思う作品なんです。
私は昔コメディーの魅力がわからずシリアスなものほど真摯で奥深いと勘違いしていた時期がありました。
この上なく面白くて温かくて、この上なく哀しくて残酷で、この上なく醜くて美しい。それでも貴方が生きている世界は輝いている。
この2つの映画は人間の懸命に生きる事そのものを愛おしむ穏やかな目線で描かれていて素晴らしいです。
哀しみがあるのにこの上ない人間讃歌になっていて尚且つ押し付けがましさが無い。引き込まれてしまう。
個人的にはまさにコメディーの真髄だと思う素敵な作品です。

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