頂き物 集

□一分一秒長くいたい
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「うぇーーん!!お腹すいたよー!寝たいよー!アニメ観たいよー!」


「うるせェ、さっさとやりやがれ」


「ぼ、暴力反対!体罰家庭教師!」


私の頭をチョップした一方通行を涙目で恨めしく見上げた。


「ほォ……まだそンな減らず口叩ける余裕あンなら、プリント30枚追加だ」


「さ、30枚!?」


私が衝撃を受けると、一方通行がめんどくさそうに口を開く。


「つゥか、こンなくっだらねェことに能力なンざ使いたくねェンだよ」


「なら、使わないでよー!!重力の向きを腰から真下に設定して、椅子から立ち上がれなくするなんて酷い!」


「あァ?そもそもテメェが、よくもまァ毎回懲りずに赤点なンざ取ってくンのが悪りィンだろォが」


「う……」


私は一方通行の言葉に口ごもる。


「分かったンなら、さっさと片付けろ」


「あ、一方通行が優しく教えてくれれば良い点が取れるかも!」


「テメェにはこれぐらいが丁度イインだよ」


そう言い返す一方通行に私は負けじと言い返す。


「私は褒めて伸びるタイプなの!」


「……頑張ってンじゃねェか」


「え?」


ふと聞こえた言葉に一方通行を見る。


「まァ、テメェも頑張ってるみてェだし。今日はここまでにしてやるか」


「……ぁ」


ふと、体の違和感がなくなり私は声を漏らす。


「おら、今日はもうイイぞ」


「……」


「何か食いにでも行くか、今日は特別に奢ってやる」


そう言って部屋を出ようとする一方通行の服をとっさに掴む。





一分一秒長くいたい
(どォした、行かねェのかよ)
(……もうちょっと、頑張る。)
(チッ……、仕方ねェから付きやってやるよ)
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