とある銃器の天界戦争
□第04話 砂漠
3ページ/4ページ
それを聞いた浜面が思わず叫んだ。
浜面仕上「じ、上級天使兵だと!!?」
滝壺理后「ーーーッ!!」
滝壺は分からなかった。
結果的には物事が進展したものの、何故自分には分かったのだろうか。
遺跡内で刀を振るう。
何かきっかけがなければ分からないはずの行動だというのに、それを滝壺は理解していた。
滝壺理后(やっぱり、何かおかしい……。私が? それともこの場所が? 話が旨く行き過ぎてる……)
遺跡から現れた音々は、一方通行を見据える。
天界戦争を構える一方通行が口を開いた。
一方通行「俺の名は“一方通行”だ。この天界戦争の本筋を知るためにここへ来た。テメェは何か知ってンだな?」
天門寺音々「言ったはずだ。我はそれに封印されていた。無論、その特性も理解している」
一方通行「そォかい、そりゃ安心だ。さっさと喋ってもらおうじゃねェか」
天門寺音々「………おかしなヤツだ」
得物を持つわけでも身構えるわけでもなく、音々は首を傾げて問いかける。
天門寺音々「貴様らは我々天使と戦うためにそれを作ったのだろう? だというのに何故扱い方を知らんのだ?」
一方通行「人間を一括りにしてンじゃねェよ。コイツの使い方なンざ俺の知ったことか。そもそも、俺は天使と戦う気はねェ。邪魔するなら殺す。それだけだ」
天門寺音々「………ほぉ…」
それを聞き、音々は表情を変えた。
言葉にするならば、少し“穏やか”に。
一方通行「……あァ? 何だその面は」
天門寺音々「いや、少し嬉しくなったものだからな……」
浜面仕上「……どういうことだ?」
天門寺音々「我をここに封印したのは人間ではない。天使なのだ」
その事実に、一方通行たちは驚愕する。
一方通行「何で天使がテメェを封じンだ。テメェは上級の座に立ってンだろォが」
天門寺音々「では聞こうか。何故、天使の能力に疎いはずの人間が、天使に対抗できる天界戦争を作れたと思う?」
そこまで聞いて、一方通行は理解した。
一方通行「なるほどな。テメェは天界にとっての反乱分子ってわけか」
天門寺音々「その通り。我は同士である天使兵を敵に回し、人間が天界戦争を作る際には手助けをした。故に天使に封印された、正真正銘の天界敵対戦力なのだ」
浜面仕上「でも、何でそんなことしたんだ? 同じ天使だってのに」
天門寺音々「さぁな。そんな昔のことは忘れた。だが、我は後悔などしていない」
改めて一方通行へと向き直った音々は、一方通行が握る天界戦争を示して話す。
天門寺音々「知りたがっていたな、そいつの本筋。我が教えてやろう」
一方通行「そォかよ。だが一応、訂正しておく。テメェが教えようが教えまいが、意地でも聞き出す選択肢を捨てる気はなかったぜ」
天門寺音々「……久方ぶりに面白いヤツと出会えたな……」
音々は鎧の腰元に手を伸ばす。
それを見て、一方通行は眉をひそめた。
天門寺音々「言っておくが、言葉で教えるつもりはない。戦場での知識を身に付けるならば、何事も実戦に限る」
一方通行「……それを否定する気なンざねェが、そいつはどういうつもりだ」
一方通行が見ているのは、音々の手に握られた得物。
それは、夏の時期に子供が持っている遊び道具に酷似していた。
音々が持っている物も、まるでプラスチックのように見えた。
音々が持っていたのは……。