とある銃器の天界戦争

□第04話 砂漠
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 それを聞いた浜面が思わず叫んだ。

浜面仕上「じ、上級天使兵だと!!?」

滝壺理后「ーーーッ!!」

 滝壺は分からなかった。

 結果的には物事が進展したものの、何故自分には分かったのだろうか。

 遺跡内で刀を振るう。

 何かきっかけがなければ分からないはずの行動だというのに、それを滝壺は理解していた。

滝壺理后(やっぱり、何かおかしい……。私が? それともこの場所が? 話が旨く行き過ぎてる……)

 遺跡から現れた音々は、一方通行を見据える。

 天界戦争を構える一方通行が口を開いた。

一方通行「俺の名は“一方通行”だ。この天界戦争の本筋を知るためにここへ来た。テメェは何か知ってンだな?」

天門寺音々「言ったはずだ。我はそれに封印されていた。無論、その特性も理解している」

一方通行「そォかい、そりゃ安心だ。さっさと喋ってもらおうじゃねェか」

天門寺音々「………おかしなヤツだ」

 得物を持つわけでも身構えるわけでもなく、音々は首を傾げて問いかける。

天門寺音々「貴様らは我々天使と戦うためにそれを作ったのだろう? だというのに何故扱い方を知らんのだ?」

一方通行「人間を一括りにしてンじゃねェよ。コイツの使い方なンざ俺の知ったことか。そもそも、俺は天使と戦う気はねェ。邪魔するなら殺す。それだけだ」

天門寺音々「………ほぉ…」

 それを聞き、音々は表情を変えた。

 言葉にするならば、少し“穏やか”に。

一方通行「……あァ? 何だその面は」

天門寺音々「いや、少し嬉しくなったものだからな……」

浜面仕上「……どういうことだ?」

天門寺音々「我をここに封印したのは人間ではない。天使なのだ」

 その事実に、一方通行たちは驚愕する。

一方通行「何で天使がテメェを封じンだ。テメェは上級の座に立ってンだろォが」

天門寺音々「では聞こうか。何故、天使の能力に疎いはずの人間が、天使に対抗できる天界戦争を作れたと思う?」

 そこまで聞いて、一方通行は理解した。

一方通行「なるほどな。テメェは天界にとっての反乱分子ってわけか」



天門寺音々「その通り。我は同士である天使兵を敵に回し、人間が天界戦争を作る際には手助けをした。故に天使に封印された、正真正銘の天界敵対戦力なのだ」



浜面仕上「でも、何でそんなことしたんだ? 同じ天使だってのに」

天門寺音々「さぁな。そんな昔のことは忘れた。だが、我は後悔などしていない」

 改めて一方通行へと向き直った音々は、一方通行が握る天界戦争を示して話す。

天門寺音々「知りたがっていたな、そいつの本筋。我が教えてやろう」

一方通行「そォかよ。だが一応、訂正しておく。テメェが教えようが教えまいが、意地でも聞き出す選択肢を捨てる気はなかったぜ」

天門寺音々「……久方ぶりに面白いヤツと出会えたな……」

 音々は鎧の腰元に手を伸ばす。

 それを見て、一方通行は眉をひそめた。

天門寺音々「言っておくが、言葉で教えるつもりはない。戦場での知識を身に付けるならば、何事も実戦に限る」

一方通行「……それを否定する気なンざねェが、そいつはどういうつもりだ」

 一方通行が見ているのは、音々の手に握られた得物。

 それは、夏の時期に子供が持っている遊び道具に酷似していた。

 音々が持っている物も、まるでプラスチックのように見えた。

 音々が持っていたのは……。
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