新説 とある学園の死闘遊戯

□第03話 脳
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 カエル顔の医者の病院。

 御坂妹は不可思議な違和感を抱えていた。

御坂妹(……一体、何なのでしょうか、とミサカは気持ちの悪い違和感を覚えます……)

 まるで、頭を揺さぶられたようにグルグルと目が回る。

 足元がフラフラとし、思うように歩けない。

御坂妹(風邪でしょうか、とミサカ…は………)

 バタリ、と廊下に倒れ込む御坂妹。

 最初に見つけた医師が駆けつけた時には、既に意識はなかった。







 イギリスの空港。

 飛行予定のない小型ジェット機が、何の許可もなく離陸した。

ステイル(……ん? 何だアレは……)

 それを見ていたステイルも首を傾げる。

 小型ジェット機が向かう先は、とある島国。

ステイル(どうも、胸騒ぎがするんだけどね……。参ったな……)

 タバコを取り出し、火をつける。

 確実に何かが始まろうとしている。

 そんな予感を、ヒシヒシと感じながら。







 黄泉川宅のマンション。

 番外個体は眉をひそめる。

番外個体「おやおやおや〜? なぁんかミサカネットワークの様子がおかしいよ」

芳川桔梗「様子がおかしい? どんな風に?」

番外個体「さあね。そこまではミサカ分かんな〜い」

 首を傾げる芳川だが、番外個体は嘘を言っていない。

 ミサカネットワークはいつも通りに回っているし、コミュニケーションに不具合があるわけでもない。

 しかし……。

番外個体(何だかね〜……。この異様な気分の悪さは……)

 番外個体が好まないほど、ミサカネットワークの空気(雰囲気)は荒んでいた。

 それが何なのかは分からないのだが……。







 第七学区のとある高校。

月詠小萌「上条ちゃん……。ついには学校を無断欠席なのですか……」

 目に涙をいっぱいに溜めた小萌が、姫神秋沙と青髪ピアスを連れて廊下を歩いていた。

 次の授業の教材を運んでもらうためだ。

姫神秋沙「上条くんなら大丈夫だと思う。今までだって。不幸な事件に巻き込まれまくってるんだから。今回もきっと……」

青髪ピアス「せやなぁ……。カミやんがグレとったのはボクも昨日の放課後に見かけたんやけど、ただのイメチェンやろなぁ。本気でグレたんなら、親友と学級委員の名のもとにお仕置きやで?」

姫神秋沙「それは。やめておいた方がいい。多分共倒れ」

青髪ピアス「手厳しいなぁ」

月詠小萌「学級委員という自覚があるのなら、これからは遅刻しないでくださいね……。ついさっき、学校来たばかりじゃないですか……」

青髪ピアス「スンマセンなぁ小萌センセー。ボクにも用事があったんよ」

 そんな会話の中、ふと姫神は窓の外を見る。

 青空の中を、1分の間に何機かの飛行機が素通りしていった。

姫神秋沙(今日は。よく飛行機が飛んでいる……?)

 小萌と青髪も気付き、窓の外を見る。

 今日は、本当に飛行機がよく飛んでいる。







 第七学区のとある高校。

????「…………」

 木原の研究所から抜け出してから、初めて携帯を開く。

 そこには、撮ったばかりの写メが一枚。

????「…………」

 画像編集で写メの左下端に文字を入れる。

 編集した写メを新たに保存し、メールに添付する。

????「………これでよし」

 メールを送信すると、再びスタスタと歩き出した。
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